体内のリズムに逆らって活動すると、仕事と勉強のパフォーマンスが死ぬかも!という話
「体内時計すごく大事!逆らうと人生が辛くなる!」みたいな話を前にも書きましたが、新しいデータ(1)でも、「自分が最適なパフォーマンスを発揮できる時間に活動せよ!」って結論になっておりました。
これはノースイースタンイリノイ大学の研究で、同大学に通う14894人の学生が対象。まずは大学の「オンライン学習システム」のデータをチェックして、生徒たちが「どの時間帯にもっとも活動しているか?」を2年にわたって調べまして、その上で、全員の体内時計のリズムをグループ分けしたんだそうな。この手の研究は過去にもあったんですが、サンプル数と期間は最大級ですね。
で、具体的には学生の体内時計を3つに分けております。
- 夜フクロウ:17:00から後に元気になる人
- 昼スズメ:12:00から17:00の間に元気になる人
- 朝ヒバリ:12:00前が一番元気な人
いちおう自分の体内リズムを知るためのテストなんかもあるんですが、だいたいの人は普段のコンディションを思い返してみれば、おおよそ自分がどのタイプかがわかるんじゃないでしょうか。ちなみに、わたしはバリバリの夜フクロウタイプです。
その後、学生の体内時計と成績の変化を比べてみたところ、
- 授業のスケジュールと体内時計が合わない生徒は成績が低い傾向があった
だったそうな。たとえば、夜フクロウの人が朝の授業をとったりすると、本来のパフォーマンスが発揮できないせいで成績が下がっちゃうわけですな。この現象を、研究チームは「ソーシャル時差ボケ」と呼んでおります。
さらにデータを見てみますと、
- 体内時計にマッチしたスケジュールで勉強ができてた学生は40%ぐらい(当然、成績もいい)
- 50%の生徒はパフォーマンスが最大になるよりも前のタイミングで授業を受けていた
- 10%はパフォーマンスが最大になった後のタイミングで授業を受けていた
って違いが出てたりします。研究者いわく、
ほとんどの生徒は、授業時間のせいで「時差ボケ」のような状態におちいっていた。この時差ボケにより、テストの成績は大幅に低下する。
だそうで、これはもちろん中年のオフィスワーカーにも当てはまるんでしょうな。
でもって、ソーシャル時差ボケの悪影響は他にもありまして、
- ついでに、ソーシャル時差ボケは、肥満や飲酒、喫煙などとも相関していた
- 特にダメージが大きいのは夜フクロウで、慢性的に最適なパフォーマンスを発揮できない傾向があった
だったそうでして、わたしのような宵っ張りには辛い感じになってたりします。さらに研究者いわく、
人によって生物学的に最適なタイミングは大きく異なるため、誰にでも当てはまるような解決策は存在しない。
ってことなんで、まずは自分の生物学的なリズムを把握しつつ、ライフスタイルを組み替えていくしかないでしょうなぁ。幸いにもわたしはスケジュール調整がしやすい仕事なんで、この問題には取り組みやすいわけですが、オフィスワーカーは会社に交渉してみるしかないですかねぇ……。