3秒で肌の水分量がわかる?「スキンチェッカー」は本当に使えるのか?
スキンチェッカーに関するご質問をいただきました。
いつも楽しく読んでます。スキンケアチェッカーの表示は正しいのでしょうか?3秒ぐらいで肌の水分を教えてくれるので使っているのですが数字にバラつきがあるようで気になります…
スキンケアチェッカーってのは肌の水分量を調べるための機械で、だいたい2000〜3000円ぐらいで売ってるガジェットのこと。肌に押し当てると、どれぐらいの水分が残ってるかを教えてくれるんですな。「美ルル」なんかが有名でしょう。
実は、私も過去にこの手の商品を試してたことがあるんで、お気持ちは良くわかります。なにせ計測のタイミングによって10%ぐらいの誤差が平気で出るんで、本当に正しいものなのか?って気になるのは自然でしょう。
では、ここらへんの問題を調べたデータがあるかといえば、ちょっと判断が難しいところではあります。そもそもマイナーな商品なんで、実験の絶対数が少ないんですよね。
いまのところ参考になるのは2016年の実験(1)で、「コルネオメーター」と「スキコン」という2種類の皮膚水分量計の効果を比較したものです。どちらも皮膚の静電容量を測る機械で、化粧品の研究なんかでは「コルネオかスキコんを使わないとダメ!」みたいな風潮があったりとか。
両者とも似たような仕組みなんですが、ざっくりした違いがありまして、
- コルネオ:肌が電気をどれぐらい保持できるかを見ている
- スキコン:肌がどれぐらい電気を通すかを見ている
みたいな感じ。で、一般的に売られてる安いスキンチェッカーは、だいたいが「スキコン」と同じ手法を使ってるはず。
さて、そこで実験の結果がどうだったかと言いますと、以下のようになります。
- スキンチェッカーの結果は、肌に残ったスキンケア商品の影響を凄まじく受ける。特に塩化ナトリウムや塩化カルシウムは、どちらも数値を大きく弾き出す要因になる
- グリセリンやエタノールなんかもスキンチェッカーへの影響がデカい
- コルネオに比べると、スキコンは肌の残留物や室内の湿度の影響を受けやすい
もちろん、厳密に管理された状況であればコルネオもスキコンも同じような精度になるかとは思われます。しかし、一般人が気軽に肌の水分をチェックするようなレベルだと、肌の状態(汗とかも)や部屋の湿度は日によって大きく変わるでしょうからねぇ。そこらへんも考えると、誤差が大きすぎて市販のスキンチェッカーは役に立つのかなぁ、と想像しております。個人的には特にオススメはしませんかねぇ。