脳に電気を流すと筋トレのパフォーマンスが上がる!ってマジっすか?
「tDCS」っていう技術がありましてな。簡単に言うと、頭の電極から脳に電気を流す方法で、頭が良くなるとか気分のコントロールにいいとか言われてるんですよ。
近年はこの技術を使った「Thync」って個人用のガジェットも市販されてて、そこそこの人気を博してたりとか。海外にはtDCSマシンを自作しちゃうガチ勢もいたりして、ちょっとおもしろいことになっております。
思わず「うさんくさい!」と叫びたくなる話ですが、実は少しだけ研究例が増えてきてまして、脳の性能がアップするかも?などと言われております。まだ判然としない話ではあるんですが。
とか言ってたら、「tDCSが筋トレにいいよ!」って結論(1)の論文が出ててビビりました。
これはサウガード・デ・オリヴェイラ大学の実験で、15人の健康な男女が対象。年齢は20〜30歳ぐらいで、週に4〜5回の筋トレをしてる人だけを選んだそうな。
実験デザインはクロスオーバーで、以下の2パターンの筋トレをランダムな順番で試しております。
- tDCSを受けたあとでレッグプレス
- ニセのtDCSを受けたあとでレッグプレス
tDCSは筋トレの20分前に行われまして、おでこの電極から前頭前野に約30秒ほど電気を流したそうな。
これでどんな違いが出たかと言いますと、
- tDCSをしたグループは、プラシーボより多くレッグプレスをこなした(d = 3.43-3.68)
- ついでにtDCSグループは主観的な疲労感も少なかった (d = 0.91- 1.12)
だったんですな。うーん、わりとハッキリした差が出ててびびりますな。
ちなみに、これは足だけの実験ですが、2016年には腕の筋トレを対象にした研究(2)も行われてて、
- tDCSを使うと最大10回までしかできなかったバイセップカールが12回にまで増えた!
なんて結果も出てておもしろいんですな。なんでも、電流が一時的に前頭前野を刺激して、筋肉のパフォーマンスを上げるみたいなんですな。
まぁいまんとこtDCSと筋トレについて調べた研究が2件しかないので、「運動パフォーマンスアップのために脳に電気刺激をしよう!」とは申せません。ただし、この結果によって、いままでは「tDCSが筋トレに効くなんてデタラメでしょう」と思ってたのが、「まだわからんけど可能性はあるかも?」って気分にはなってきました。
とりあえず、tDCSはちょっとおもしろげなので、あくまで懐疑的な態度を持ちつつ「Thync」とかを試してみようかな……。