運動のケガを防ぐためにもビタミンDは効くかもだ!みたいな実験の話
またしても、このブログではおなじみな「ビタミンD」の話です。なにせビタミンDは骨や筋肉の健康、免疫システムの正常な働きに必須なことがわかってきまして、近年ではその大事さが前よりもクローズアップされてきたんですよね。
で、新しいデータ(R)は「ビタミンDが運動のケガを防ぐ!」って内容になっててタメになりました。
これはウルバーハンプトン大学の実験で、71人のエリートダンサーを対象にしております。なんでダンサーを選んだかと言いますと、
- 室内のトレーニングが多いのでビタミンDが不足しがち
- わりと負傷が多いので、ビタミンDがケガに効くか判断しやすい
といった要素があるからであります。
で、実験では参加者を2つのグループに分けてます。
- ビタミンD3のサプリを4日で120,000 IU飲む
- ニセのビタミンDサプリを飲む
いまんとこビタミンDは「1日10,000IUを超えたらヤバいかも?」と言われてるんで、4日で120,000 IUってのは凄まじいレベルっすね。まぁ過去の実験ではもっと多い量のサプリを使ってることも少なくないんで(R)、実際にはそこまで危険でもないのかもですが。
その上で、4カ月後に全員の25(OH)Dレベル(体内のビタミンD)、ケガの発生率などをチェックしたところ、こんな結果になりました。
- ビタミンDのサプリを飲んだグループは……
- 急性のケガの発生率がかなり減った(88.9% vs 68.2%)
- 慢性的なケガの発生率もかなり減った(10.9% vs 31.8%)
ってことで、正直なところ「こんなに違いが出るのか!」と思いました。
そういえば少し前にも「テコンドー選手が1日5000IUのビタミンDでパフォーマンスが激増するかも?」って話があったように、インドアで運動をすることが多い人は、ビタミンDでケガもしにくくなるのかもですな。特に慢性的なケガの発生率が3倍近くも違うってのはすごいことですが、これはビタミンDによって骨が強くなったのが大きいのかなー、という印象であります。
もっとも、これらのデータには注意点がありまして、
- ダンサー実験では、実験前にビタミンDレベルが足りてた人は13%しかいなかった
- 先行研究では、「アスリートがビタミンDを飲んでも無意味かも」みたいな結論も出ている(R)
といったポイントは押さえておきたいところです。おそらく、普段から太陽の光を浴びないような人ならビタミンDは意味があると思うんですが、ここらへんはもうちょいデータを見たいところですね。
ともあれ、現代人がビタミンD不足になりやすいのは間違いないですし、運動中のケガを防ぐためにも体内レベルを満たしておくのは重要じゃないかと思う次第です。