高血圧の人が塩を減らすとどれぐらいの量でどれぐらいのメリットがあるの?のメタ分析
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「血圧を下げたいなら塩を減らそう!」とはよく言われることですが、
- 具体的にどれぐらい塩を減らしたら、どれぐらいのメリットがあるの?
という根本的な問題に取り組んだメタ回帰分析(R)が出ておりました。かなり信頼度の高い内容なので、いま高血圧にお悩みの方には非常に使えるのではないかと。
これは1946年〜2018年のあいだに出版された「塩分と血圧」に関するRCTから質が高めな133件を抜き出して、11,555人分のデータを精査してくれております。実験期間はだいたい2〜4週間のものが多くて、平均で0.77 mmol か 1.7 gramsの塩を減らしてる感じ。
では、まず大きな結論から言っちゃいますと、
- 血圧が131/78以上の人の場合、1日のナトリウムを100 mmol (2,300milligrams)減らすと、最高血圧が7.7 mmHg減り、最低血圧が 3.0 mmHgほど減る!
- 血圧が140/90以上の人が1日のナトリウムを100 mmol (2,300milligrams)減ら下場合は、上と下の血圧ともに1.0-2.0 mmHgぐらいの改善レベルにとどまる
- 血圧が130/78以上の人の場合は、上と同じ量のナトリウムを減らすと上が-1.46 mmHg、下が-0.07 mmHgぐらい改善するが、これは臨床的には意味がないレベル
という感じになってまして、高血圧のレベルによって減塩の効果は変わるみたい。
「最高血圧が7.7 mmHg減る」ってのは、過去のメタ分析(R)に照らすと、だいたい心疾患リスクが15〜20%ほど低下するぐらいの働きがありますんで、
- 減塩は高血圧の治療薬と同じレベルの効果がある!
と言って良さげであります。また、「100 mmol (2,300milligrams)のナトリウム」ってのはざっくりティースプーン1杯分に相当してまして、まぁこれぐらいなら楽に達成できるレベルじゃないでしょうか?
ちなみに、その他の高血圧に効きやすいものとしては、
- カリウム=1日2,340〜7,800mgで5.0 mmHg の改善が見込める。ただし副作用もあるので使用前はお医者さんに相談
- ビーツジュース=だいたい4.0〜5.0 mmHg の改善が見込める(R)
みたいな感じになってますんで、減塩と合わせて試すのも良いかと思われます。