仕事の休憩中にスマホを見ると、逆に疲れるし退屈になるしモチベーションは下がるし‥…みたいな実験の話
「休憩時間にスマホを見るな!逆に疲れるぞ!」って内容のデータ(R)が出ておりました。
これはラドバウド大学などの研究でして、「スマホって休憩のリフレッシュに役立つの?」ってのがテーマ。ご存じのとおりスマホの影響については賛否がありまして、「スマホが目の前に置いてあるだけでも人間の集中力は途切れる」って話がある一方で、ほんの短い休憩ならどんな行為でも意味があるよーってデータ(R)があったりして、わりと判断が難しいところではあったんですよね。
では実際のところはどうなのかって事で、研究チームは83人の参加者を集めて、こんな実験をしております。
- 研究用のスマホを渡して、いつもどおりに仕事をしてもらいつつ。1時間ごとの疲労と退屈の度合いを評価を行うように指示
- スマホ内のアプリでスマホの利用状況を常時モニタリングする
- スマホの利用状況と、退屈や疲労感の関連を調べる
といった感じで、仕事の休憩中にスマホを使うとメンタルはどうなるのかをチェックしたんだそうな。
では、以下に結論です。
- みんなスマホを使って休憩しまくっており、自分の疲労と退屈レベルを報告した後には、52%の割合でスマホをチェックしていた。1回あたりのスマホの利用時間は平均で約90秒だった
- 参加者の疲労と退屈が増すにつれて、スマホをチェックスる頻度も増えた。例えば、「退屈さ」のレベルが100点満点で10ポイント上昇すると、そのあとでスマホを見る可能性が40%ほど高くなる
- スマホを使った後の報告によれば、スマホを使ってから20分後のほうが参加者の疲れはアップしていた(もっとも、その効果量はかなり小さくて、100点満点で一桁レベルの増加でしたが)
だったそうな。まぁ数値的にはそこまで騒ぐレベルじゃないんですけど、スマホを使うと逆に疲労感が上がる!って傾向は見られたらしい。せっかくの休憩で疲れが増しちゃうのは辛いとこですなぁ。
で、休憩でスマホを見ると疲れちゃう理由は大きく2つありまして、
- スマホを見るとなんだかんだで頭を使うし、仕事からスマホにタスクを切り替える作業も脳に負荷をかけるから(ちょっとスマホを見ただけでは、その認知負荷をカバーするほどんメリットが得られない)
- 休憩中にSNSなどで他人の楽しそうな様子を見たりした場合は、「あー、周囲はこんな楽しそうにしてるのに、自分は仕事で疲れてるなぁ…‥」みたいなメンタルになっちゃって、仕事にもどってもさらにうんざりした気分が増加する
といったメカニズムが想定されております。まぁ休憩中にスマホでニュースとか見てたら、逆に頭を使っちゃってリフレッシュにはならなそうっすよね。特にSNS上のバトルなんかが目に入った場合は、休憩どころじゃありますまい。
まぁサンプル数が少ない調査なんで、ここから決定的な結論を出さないほうがよいだろうとは思うものの、実は2016年にも似たようなデータは出てまして(R)、「仕事の休憩中にスマホを使うと、そのあとの仕事のモチベーションが下がるぞ!」などと報告されてたりします。これも、おそらくはスマホのせいで逆に脳を使っちゃうのが原因っぽいんですよね。
そんなわけで、もし仕事中に退屈したときでもスマホを見ないほうが吉。いったんデスクを離れて軽く散歩するとか、窓の外をボーっとながめたりしたほうが、最終的には疲れやモチベーションの低下が起きずに済むんじゃないかと思う次第です。