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今週末の小ネタ:メンタルが強い人の食べ方、家族の食事のメリット、脳の縮小を止める行動

Summary


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。   

   

 

 

メンタルが壊れない人はこんなふうに食事をする

メンタルが健全な人の人はこんなふうに食事をする!という面白いデータ(R)が出ておりました。

 

 

これは14〜22歳までの若者1,491人を8年間ほど追跡した研究で、みんなへ定期的にこんな質問をしたんだそうな。

 

  • お腹がどれぐらいいっぱいになったところで、食べるのをやめていますか?
  • お腹がすいていなくても、料理をすべて食べてしまうことがありますか?

 

要するに、参加者たちが「自分の空腹感」をどれぐらい信頼していて、ちゃんとそのサインにしたがって食事を止めているのかどうかを調べたわけですね。

 

 

でもって、どんな結果が確認されたのかと言いますと、

 

  • 自分の空腹と満腹感に従って食事をする人は、抑うつ症状が少なく、身体への満足度が高く、自尊心が高く、過食が少なく、不健康な行動が少なかった
  • 自分の空腹と満腹感に従って食事をする人は、暴食する可能性が74%も低かった

 

だったそうです。「目の前にまだ料理が残ってるな……」とかではなく、自分の満腹感に従って食事ができる人はメンタルが健全なのだ、と。

 

 

研究チームいわく、

 

私たちは、この世に生まれ落ちた直後は満腹感に従って食べているはずだ。しかし、長年の間に社会的に条件づけられるせいで、食べ物に対する見方が変わってしまう。

 

残念なことに、これらの条件付けは、逆説的に私たちを過食に走らせることがある。

 

 

とのこと。要するに、多くの人は成長の過程で「食べ物を無駄にすることは悪いことだ!」といった社会規範を学び、それは決して悪いことじゃないものの、一方では自分を縛りすぎる鎖にもなってしまうわけですな。

 

 

もちろん、このデータからは「空腹に従って食事をすればメンタルが改善する」って結論は出せないわけですが、従来の研究でも「空腹感に忠実に食事をする人ほど健康」みたいな話も出てるんで、心がけていただくのもよろしいかと思うわけです。

 

 

 

家族で食事をするのはどこまでメリットがあるのか?

家族で食卓を囲む」って行為にはなんとなく良いイメージがありますが、実際のところはどうなの?ってところを調べたメタ分析(R)が出ておりました。

 

 

研究チームは2018年12月より前に出版された関連論文をまとめてまして、

 

この研究では、包括的なアプローチを使って、子供が家族と一緒に食事をすることで、家族全体の機能がどのように変わるかをチェックした。

 

って感じで、家族で食事をする子供は、そうでない子供にくらべてどんな違いがあるのかをチェックしたんだそうな。

 

 

その結果をざっくりまとめると、こんなふうになります。

 

  • 家族で食事をする回数が多い子供ほど、果物や野菜を食べる量が増える
  • さらに、家族で食事をたくさんすると、家族のつながりが深くなり、コミュニケーションの質と量が向上し、子供の表現力や問題解決力もアップする

 

ってことで世間のイメージどおり、やはり家族で食卓を囲むと良いことだらけみたい。まぁ現代の環境だとどうしても家族で食事ができないケースも多いでしょうが、チャンスがあればみんなで食事をしといたほうがよさげ。

 

 

 

脳が縮みにくくなる4つの行動

脳の縮小を止める習慣はこれだ!」みたいな研究(R)が出ておりました。私ぐらいの中年になると脳の縮小が大きな問題になってきますんで、これはちょっと気になるポイントっすな。

 

 

これがどんな研究だったかと言いますと、

 

  1. 1,557人の高齢者(平均75歳)を集めて脳スキャンをする
  2. みんなのライフスタイルを調べて、どんな行動をすると脳のサイズが大きくなるのかをチェックする

 

みたいな感じです。わりとベーシックな研究でよろしいのではないでしょうか。

 

 

でもって、そこでどんな結論が出たのかと言いますと、

 

  • 一般的に、活動的なグループの人のほうが脳の容積が大きい
  • 具体的には、普段体を動かさない被験者の脳の平均サイズは871立方センチメートルだったのに対し、最も活動的な被験者は883立方センチメートルだった

 

だったそうな。この1.4%の脳容積の差は脳の老化レベルにほぼ対応してまして、つまり普段から活動的であれば脳の劣化はそこそこ防げるんじゃなかろうか、ってことですな。

 

 

ちなみに、この研究では、脳が若い高齢者がよく行ってた活動は、

 

  • ウォーキング
  • ダンス
  • 水泳
  • ガーデニング

 

だったそうです。もちろんこの4種に限らなくても活動的であればOKですが、参考までに。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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