中年になって「あれ」が足りないと脳が縮むかもしれないぞ!という研究
「人間を老けさせるのはお金のストレスだ!」って話もあるぐらい、貧乏は体によくないわけです。ついでに、お金がないとムダに食事量も増えるし、IQまで下がっちゃうしで、なにかと大変なわけです。
その原因としては認知リソースの問題とかいろいろ考えられるんですが、新しい研究(1)だと「お金がないと脳が縮むかも!」って結論になってて怖い感じ。
これはテキサス大学の実験で、20〜89歳の男女304人が対象。みんなの脳をスキャンして、2つのポイントを調べております。
- 脳の灰白質の量(脳細胞が多いかどうかですな)
- 脳のネットワーク効率(情報をスムーズに処理できるかどうか)
でもって、同時に参加者の収入レベル、教育レベル、雇用状況なんかもチェックして、脳の状態と比較したんだそうな。
その結果をざっくりまとめると、
- 金がある中年(35〜64歳)ほど灰白質の量が多い(脳が大きい)
- ついでに脳のネットワーク効率も高い
だったそうで。もちろん、これだけだと「頭が良いから良い仕事につけるのでは?」って可能性もあるんですが、
- メンタルの状態や現在の認知機能レベルなどを考慮しても、やっぱりお金がある人は脳がデカかった
って結果も出てるのがおもしろいとこ。どうやら「脳は優秀なのに何らかの問題で認知機能が低い人」でも、やはりお金を持ってる可能性は高いらしい。
また、ほかにも興味深いポイントが出てまして、
- 子供のころの経済状況を調整しても、やっぱりお金がある人ほど脳はデカい
みたいな傾向も出てたりします。要するに、幼いころに貧しい家庭で育っても問題はなく、「大人になってからお金があるかどうか?」に脳のサイズは左右されるのかも?、ってことですな。
この現象がどのように起きるかはよくわからんのですが、
- 収入が低い職業はヘルスケアへのアクセスが悪いから?
- 貧しさのストレスが体に悪いから?
- 貧しいと知的な刺激も少なくなっちゃうから?
といったあたりを想定しておられます。研究者いわく、
これまでは、貧困は個人や環境の問題だと考えられることが多かった。しかし、これらのデータが示すのは、経済的なリソースがないことにより脳の機能が低下し、さらに貧しくなっていくという可能性だ。
とのこと(2)。貧しい人は脳機能の低下が起きるせいで、さらに貧しくなっちゃう傾向があるんだ、と。なかなか対処が難しい問題ですけど、とりあえずお金に関するストレス対策は最優先でやっといたほうが良さげですかねぇ。