汚い部屋をキレイにする確率を高める超簡単な心理トリックとは?
部屋が散らかってる人ってのは、たいてい不要な物が捨てられない性格なわけです。自分でも「必要ないな…」と思ってるのに、なぜか処分できないパターンですね。
私はわりと何でも捨てちゃうタイプなんですが、「不要な物が処分できない!」って問題にお困りの方に役立ちそうな論文(1)が出ておりました。
これはペンシルバニア州立大学の実験で、797人の学生が対象。学期末の直前に「不要なものを寄付しよう!」ってキャンペーンを展開して、学生たちに2つのパターンで呼びかけを行ったらしい。
- 普通の呼びかけ:たんに「不要なものを集めて寄付してね!」とアナウンスする
- 撮影をうながす呼びかけ:「不要なものを集めたら写真に撮って、それから寄付してね!」とアナウンスする
つまり、両者の違いは「不用品を写真に撮るかどうか」だけ。この作業を挟むだけで寄付率が上がるんじゃないかと考えたわけですな。
で、どんな違いが出たかと言いますと、
- 普通の呼びかけ:533アイテムが寄付された
- 撮影をうながす呼びかけ:613アイテムが寄付された
って感じ。そこそこハッキリした差が出てますなぁ。
研究者いわく、
モノの記憶、またはその記憶にまつわるアイデンティティを保存するように仕向ければ、たいていの人は不要な物を捨てることができた。
とのこと。写真でも動画でもなんでもいいんですが、とりあえず「不用品の記憶がちゃんと残った」って実感さえ得られば、誰でも思い切ってモノを捨てられるんじゃないか、と。
「その記憶にまつわるアイデンティティ」ってところがちょい難しいですが、たとえば「過去に習字の大会でもらったトロフィーが捨てられない!」って場合は、
- モノの記憶=習字の大会で優秀賞をもらったぞ!
- アイデンティティ=優秀賞をもらった誇らしい自分
みたいな意味わけです。たいていの場合は「モノの記憶」さえ抑えておけば、自動的にアイデンティティもくっついてくるんじゃないでしょうか。
さらに研究者いわく、
私たちが本当にあきらめられないのは、自分が所有するモノ自体ではない。本当に捨てられないのは、そのモノにまつわる記憶なのだ。
ってことで非常にいいことを言ってますね。
ただし、逆にいえば、このテクニックが使えるのは「思い出に関する品だけ」ってことでもあるんでご注意ください。たとえば「単にもったいなくて捨てられない!」みたいな商品(道ばたでもらったティッシュとか)の場合は、いくら写真に撮ってもムダかと思われます(笑)
そんなわけで、「思い入れがあって捨てられない…」みたいなケースにお悩みの際は、写真に撮ってみるのも良いかと。
写真を撮れば、私たちは同じ記憶をキープすることができる。これは別に驚くような話ではないだろう。しかし、わざわざ不用品を写真に撮るような人は少ないため、この作業を意識的に行わねばならない。
「片づけ」がはかどるシンプルな解決策としてよろしいのではないでしょうか。