二日酔いが厳しいタイプの酒、二日酔いが軽いタイプの酒
いまのところ、「二日酔いに効く藥やサプリは存在しない!」ってのが科学の結論なわけです。いちおう、炭酸が効く?とかウコンが効く?とか言われてるものの、いずれも研究としては質が低く、いまいち信用できない感じなんですな。
なんでいまだに決定打が出ないかと言えば、そもそも二日酔いの原因がわかってないからです。一般的には「アセトアルデヒドが悪い!」とか「アルコールの脱水がよくない!」とか言われるんですけど、まだまだ決着は着いてないんですよ。
アルコールって人体に様々な影響を及ぼしてまして、体に酸化と炎症を起こしたり、ホルモンバランスが変わったり、睡眠の質を下げちゃったりとか、とにかくいろいろ。これらの要素がまとめて体にダメージを与えてるんだろうとは思うものの、なぜアルコールが抜けた後に頭痛が起きるのか?とか、なんであそこまで激しい疲れが起きるのか?とかはよくわかってないんですね。
そんなわけで、いまんとこは「二日酔いになりなくなければアルコールを飲むな!」が科学の結論。非常につまらない着地ですが、原因がわからない以上は仕方がないところかと思います。
ただ、そんな状況のなかで、「とりあえず”これ"は二日酔いのレベルを左右するよねー」ってポイントがあるにはあります。それが、「コンジナー」ってやつ。
耳慣れない言葉かもしれませんが、簡単にいえばお酒が作られるときにできる副産物のこと。ワインのタンニンや日本酒のアソトン・フーゼル油などが代表例で、こいつがあるおかげで酒の独特の風味や味わいが生まれてるわけっすね。つまり、酒に入ってる成分の中で、水とアルコール以外はすべて「コンジナー」であります。
コンジナーの種類によって二日酔いの辛さが変わるのはわりと有名な話で、「バーボンとウォッカは睡眠に与える影響が違うよ!」なんてデータ(1)も出てたりとか。どうやら、同じ量のアルコールを摂取したとしても、コンジナーによって二日酔いのダメージは変わっちゃうみたいなんですな。
では、具体的に「どの酒が二日酔いにはよくないの?」ってのが気になるとこですが、そのへんについては、二日酔い研究の第一人者であるヨリス・フェルスター博士が査読論文にまとめてくれております(2)。
「コンジナーが多くて二日酔いの症状が激しい酒」のランキングは以下のとおりです。
- ブランデー
- 赤ワイン
- ラム酒
- ウイスキー
- 白ワイン
- ジン
- ウォッカ
- ビール
- オレンジジュースと混ぜたエタノール
ってことで、基本的にはワインベースで蒸留したものの方が上位にあがってますね。
まぁ酒はコンジナーが多いから美味しいって面もあるんで、このランクをベースに飲むものを決めるのもどうかなーとは思います。ただ、付き合いで飲まねばならないようなときは、酒選びの参考になるかとは存じます。どうぞよしなに。