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こんな食事をすると集中力が11%も下がるぞ!というクロスオーバー実験の話

 

  

こんな食事をすると集中力が死ぬよ!」ってデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはオハイオ州立大学の研究で、51人の女性を対象にしたもの。まずは10分のテストでみんなの集中力がどれぐらいあるかをチェックし、その後で全体を2つのグループにわけてこんな試験を行ってます。

 

  1. 飽和脂肪酸の多い食事をとる
  2. 飽和脂肪酸の多い食事をとる

 

飽和脂肪酸が多い食事は、卵、ビスケット、七面鳥のソーセージ、60グラムの脂肪を含むグレイビーソース、飽和脂肪たっぷりなパルミチン酸ベースの油などで構成。バーガーキングのチーズ入りダブルバーガーや、マクドナルドのビッグマックとフライドポテトなどを参考にして作ったメニューだそうです。

 

 

逆に不飽和脂肪酸が多い食事はヒマワリ油をベースにしたそうで、どちらの食事も総カロリーは930キロカロリーにそろえられております。

 

 

その上で、5時間後は再び全員へ集中力テストをやってもらったところ、

 

  • 飽和脂肪の多い食事を食べたグループは、集中力テストにおける刺激の検出能力が11%低かった

  • 中でもリーキーガットの疑いがある人ほど集中力が低下する傾向があり、10分も注意を維持できなかった

 

って結果だったそうな。リーキーガットは腸内に小さな穴が開いて体内に毒素が入り込む症状で、万病の元と言われております(さらに詳しくは「最高の体調」などをどーぞ)。この研究では血液サンプルを分析して、体内のエンドトキシン(毒素)の量を調べてリーキーガットを判定したらしい。

 

 

ってことで、簡単に言えば「飽和脂肪が多い食事を1回食べるだけでも集中力は失われる!(のかも」って話でして、なんとも怖い感じっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

脂肪分の多い食物が脳機能の低下と相関することは以前から報告されていた。

今回のテストはほんの1回の食事だったが、それだけでも違いが確認されたのは注目すべき事実だ。

さらに、今回のテストで採用された食事はどちらも高脂肪だったため、高飽和脂肪食と低脂肪食を比べるとさらに大きくな違いが出る可能性もある。

 

とのこと。このテストは小規模なクロスオーバー試験なんで精度はまずまずですが、高脂肪食が脳にダメージを与えやすいって話は昔からあったんで、個人的には納得度の高い話でありました。

 

 

では、なんで高脂肪食のせいで集中力が落ちてしまうのかと言いますと、

 

飽和脂肪は全身の炎症レベルを上昇させ、脳の炎症レベルも上昇させてしまうことが知られている。

脂肪酸は脳と直接相互作用しているのかもしれません。

 

と推測しておられます。高脂肪食が炎症と結びついてるって指摘は過去にもあったとおりでして、それが脳のダメージにもつながるかもしんないわけですね。

 

私たちの多くは、不安になるとブロッコリーよりも高飽和脂肪食品の方を魅力的に感じる傾向がある。

と同時に、抑うつや不安が集中力や注意力を低下させることも、他の研究からわかっている。

これらの知見を合わせると、現実世界での効果はさらに大きくなるかもしれない。

 

単に不安のせいでジャンクフードのような高脂肪食を口にしたくなるだけでなく、不安そのものが集中力を低下させてしまうんだ、と。うーん、ありそう……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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