今週末の小ネタ:頭がいい人は運動しない、高脂肪食の脳ダメージ、俺は他人よりエコだ問題
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
頭がいい人ほど体を動かさない?
「頭がいい人ほど運動が嫌い?」って結論のおもしろい論文(R)が出ておりました。
これはフロリダ湾岸大学などの研究で、学生の参加者を対象に「ニード・フォー・コグニション」というオンラインテストを実施したものです。これは「どれだけ物事を考えるのか好きか?」ってのを確かめるために使われるテストで、
- 問題について新しい解決策を考え出すのは楽しい
- 私はできるだけ物事を深く考えるようにしている
みたいな文章にどれだけ同意できるかで判断しております。その結果、「頭を使うのが好きな人」と「頭を使うのがめんどうな人」を30人ずつ選びまして、今度は全員に身体活動計をわたして7日間ほど「どれだけみんな体を動かしてるか?」ってのを計測し続けたんだそうな。おもしろい研究ですねぇ。
そこで何がわかったかと言いますと、
- 頭を使うのが好きな人は、頭を使うのがめんどうな人に比べ、月曜日から金曜日までの活動量がかなり低かった(週末の活動レベルには差はなかった)
だったそうで、普段からものごとを深く考えるのが好きな人ほど、平日はほとんど体を動かさない傾向があったみたい。
なんでこういう現象が起きるのかと言いますと、
- 頭を使うのがめんどうな人は、頭を使うのが好きな人より「退屈」に襲われやすい
- その結果、退屈から逃れるために身体活動に頼るようになる
みたいな流れが想定されておりました。たった60人の調査なんで断言するのもアレですが、ありそうな話だなーとか思いましたね。
高脂肪食は3日とかからず脳を劣化させるかも
高脂肪食はよくない!ってのはよく言われることで、慢性炎症の原因になったり睡眠に悪影響が出たりする可能性があるわけですが、新たに「脳を老けさせるかもね〜」って話(R)が出ておりました。
といってもこれはまだ動物実験の段階でして、「マウスたちに高脂肪食をあたえまくったらどうなるのか?」ってところを調べたものです。シンプルな実験ながら面白い結果が出てまして、
- 高脂肪食をとったマウスは3日ぐらいで視床下部が炎症しまくった!
- 脳のミクログリアにも悪影響が出ていた!
みたいな感じになってます。視床下部は空腹感、体温、睡眠などをコントロールしている部分で、ここがやられちゃうと、当然ながら無闇にお腹が減ったりするわけです。
さらにミクログリアは炎症を調節する機能を持っていて、身体の防御メカニズムを受け持っております。つまり、視床下部が燃えてるのに、火消し薬になってくれるミクログリアもダメになっちゃうわけっすね。こりゃ怖い……。
研究チームいわく、
私たちの脳には、特定の種類の食べ物を食べることで活性化するメカニズムがある。これは進化の観点からは重要なメカニズムだったのだろうが、現代のように脂肪や炭水化物が簡単に入手できる環境では有害になる。
とのこと。あくまでマウス実験の段階ではありますが、「ヒトの脳も高脂肪食で似たような問題が起きるかも?」ぐらいに考えておくといいんじゃないでしょうか。
みんな「自分は他人よりエコだ」と思ってる説
「人間はみんな『自分の能力は平均より上だ』と思っている」とはよく言われることですが、新たに「みんな『自分は他人よりエコだ』と思っている」と主張するデータ(R)が出ておりました。
こちらは2,635人のスウェーデン人と、英国、インド、米国に住む513人を対象にした調査で、全員に「他のスウェーデン人と比較してどのくらい環境保護を実践していますか?」と尋ねて、自分のエコレベルを7点満点で採点してもらったんだそうな。
その結果はどの国でも同じで、
- かなりの人は「自分は他の人よりも環境に優しい!」と感じていた
だったそうで、具体的にはスウェーデン人の51.3%が「自分は他の人よりもエコだ」と答え、「自分は平均以下だ」と答えたのはわずか8.6%だったそうな。ちなみに、他の国はさらに割合が大きくて、インドは85.7%、英国は72%、米国は63.7%が「自分は他の人よりもエコだ」と答えたとのこと。
まぁ「俺は他人より優秀なのだ」と思いたがるのは人間の性なんで、いちがいに悪いとは申しません。この錯覚がないと厳しい人生を生き抜くのも大変になっちゃいますからねぇ。ただ、人間にはこういう心理傾向があるんだってところは覚えとくといいでしょうねー。