今週半ばの小ネタ:ネガティブな言葉を使う人ほど体調が悪い、朝のコーヒーは朝食後が良い、スマホに依存しがちな人の特徴
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
ネガティブな言葉を使う人ほど体調が悪い問題
「あなたの肉体の健康は言葉に現れる!」ってデータがピッツバーグ大学などから出ておりました(R)。これは、35,000人以上が書いたブログと1,567人の大学生が書いたエッセイを分析したもので、「言葉の使い方と健康レベルには関係があるのかな?」ってのを調べたんだそうな。
まずはその結論から言ってしまうと、
- ネガティブな感情を表す言葉を多用した人は健康状態が悪く、孤独、幸福度の低下、神経症が大きい傾向があった
- 逆にポジティブな感情を表す言葉を多用した人は健康状態がよく、うつ病や神経症の割合が低かった
だそうです。まぁ当たり前と言えば当たり前の結論で、体調が悪い人は「ストレス」とか「辛い」とか「気分が沈んでる」みたいな言葉をたくさん使うでしょうからねぇ。
もちろん、この研究だと「体調が悪いからネガティブな言葉が増えるのか、それともネガティブな言葉が増えたから体調が悪くなるのか」はわからないものの、研究チームはこう申しておられます。
日常生活においては、ネガティブな人々は、ニュアンスの異なる感情に対して否定的な言語のラベルを貼ることができ、それが最終的に彼らの気分に影響を与えているかもしれない。
ネガティブな人たちは、ポジティブな人がニュートラルに捉えるような感情にも「なんかダルい」といったラベルを貼ってしまうことが多く、そのせいでいよいよメンタルが悪化する可能性があるんじゃないか、と。確かに言葉はヒトの考え方を決めるんで、それで世の中の見方が変わっちゃう可能性はあるかもっすね。
ネガティブな人生経験を多く体験した人たちは、自分の周りの世界を表現するため、ネガティブな語彙をより多く身につけたのだろう。
ということで、過去に嫌な体験を多くした人ほど、その体験を表すためにネガティブなボキャブラリーの量が増え、それが結果として感情と体調の悪化につながるのではないか?との見立てがなされておりました。これはあるかもなぁ。
朝のコーヒーは朝食後が良い説
バース大学から「朝食前にコーヒーを飲むのは良くないぞ!」って話(R)が出ておりました。29人の健康な男女を対象にした試験で、
- 参加者にいつもどおり寝てもらった後、起きてすぐに甘い飲み物を飲んでもらう
- 参加者に寝不足状態になってもらい、その後、起きてすぐに甘い飲み物を飲んでもらう
- 参加者を上と同じような寝不足状態にした後、起きてすぐに強いブラックコーヒーを飲んでもらい、それから30分後にさらに甘い飲み物を飲んでもらう
といった複数のパターンを作り、みんなの血液サンプルを調べたんだそうな。そこでどんな結果が出たかというと、
- 朝食前に強いブラックコーヒーを飲むと、食後の血糖反応が約50%上昇した
- 睡眠不足と睡眠が十分な状態を比べても血糖/インスリンの反応は変わらなかった
だったそうです。空きっ腹にコーヒーを飲むと、どうやら血糖コントロールが損なわれるかもしれないらしい。
研究チームいわく、
目を覚ましてからすぐにコーヒーを飲む人は多く、起き抜けの疲れが大きいほど強いコーヒーを飲む。
しかし、今回の研究を簡単にまとめれば、起きてからすぐコーヒーを飲むと血糖コントロールが損なわれる。特に睡眠不足の状態でコーヒーを飲むと負の効果が強い。この問題は食事をしてからコーヒーを飲むことで改善する可能性があり、重要な健康上のメリットをもたらすかもしれない。
ということで、起き抜けにすぐコーヒーを飲んでいる方はご注意ください。私はもともと朝食をとっていないので、あんま関係がない話なんですが。
スマホに依存しがちな人の特徴とか
「こんな人はスマホに依存しがち!」なんて話(R)がオハイオ州立大学から出ておりました。 18〜24 歳の男女495 人を対象にした研究で、みんなの不安や強迫観念などをチェックした上で、1日にどれぐらいスマホを使ってるかを調べたらしい。
すると、「スマホがないと不安になる!ストレス!」と報告した人たちには、以下の特徴があったんだそうな。
- スマホに依存しちゃう人は、とにかく強迫観念が大きい(「強迫観念」は「何かをしたときに、ついつい何度もチェックしてしまいますか?」みたいな質問で判断してます)
- 「自分は不完全な人間だ……」みたいに思ってる人もスマホ依存になりやすいかも
ということで、どうもスマホ依存になりやすい人ってのは、「強迫観念」とか「不完全さ」からくる緊張感をやわらげるためにスマホを使ってるのかもしれないらしい。
研究チームいわく、
人々はソーシャルメディアで仲間とつながったり、インフルエンサーの動向を知ったりするために、スマホを使うことが多い。にも関わらずスマホが手近にないと、そのつながりが断ち切られてしまい、動揺の感情が大きくなってしまうことがある。
ということで、心当たりのある方は、「自分がスマホを使っているのは劣等感のせいでは?」とか疑ってみるといいかもしれませんねー。