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今週末の小ネタ:手書きの脳トレ効果、和食めちゃ体にいい、アートでカップルが仲良くなる

Summary

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 

手書きはキーボードより脳トレになるよ!

ノルウェー科学技術大学から「ノートは手書きの方が脳トレになるよ!」ってデータ(R)が発表されておりました。実験の内容はシンプルで、

 

  1. 16人の子供と16人の大人を集め、指定の単語を手書きかキーボードで書いてもらう
  2. その間に全員の脳をスキャンする

 

って感じで両グループの違いを見たら、手書きの方が脳が活性化してたんだそうな。まぁ過去の研究でも手書きの方が頭に残りやすいって話は出てたんで、やっぱりねーみたいな結果ですね。

 

 

手書きの方が脳が活性化する理由は簡単で、

 

  • 手を使った方がいろんな感覚を使うから!

 

です。手書きだと紙にペンが当たる触覚があったり、書いた文字を見たり、紙が立てる音を聞いたりできるんで、その分だけ多くの感覚を使うんですよ。

 

 

研究チームいわく、

 

今回のテストは。学習に有益な神経細胞の働きうながすためには、幼少期から学校で手書きや絵を描く活動に触れる必要があることを示唆している。

 

ペンと紙を使うと、脳に記憶を残しやすくするための "フック “が増える。手書きのほうが脳の感覚運動をより多くの使うからだ。

 

手書きの感覚経験は、脳のさまざまな部分をつなぎ合わせ、学習のために脳をオープンにしてくれる。結果、学習と記憶が促進されることとなる。

 

とのこと。私もほとんどの仕事はキーボードでやってますが、本を書くための勉強ノートみたいなのは今も手書きを使ってるんで、この結果を見てるとそれも良いことだったんかなーってとこですね。

 

 

 

やっぱ和食って体にいいんだなぁ……

地中海食とかDASHとか体に良い食事はいろいろありますけど、「やっぱ和食もかなりすごい!」って話(R)が出ておりました。これは国立がん研究センターの調査で、日本の各都道府県から男女9万2,969人の食事アンケートを集め、日本食のパターンと死亡リスクとの関連をチェックしたんだそうな。

 

 

ここでいう「日本食のパターン」ってのは、

 

  1. ご飯
  2. みそ汁
  3. 海藻
  4. 漬物
  5. 緑黄色野菜
  6. 魚介類
  7. 緑茶
  8. 牛肉・豚肉

 

をどれぐらい食べてるかで判定してまして、牛肉・豚肉の摂取量が少なく、その他の食材の摂取量が多いほど高得点になります。もちろん「ご飯がそこまで体にいいか?」みたいな異論がある方もおりましょうが、全体的にこれらの食材が体にいいのは間違いないとこでしょう。

 

 

で、全員を約19年ほど追跡したところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • 日本食スコアが低い人たちと比べると、スコアが高い人は全死亡リスクが14%低く、循環器や心臓血管まわりの病気で死ぬリスクも11%低かった
  • がんの死亡リスクについては、そこまでの有意差はなかった
  • 海藻の摂取量が多いと死亡リスクが6%低くなり、漬物は5%、緑黄色野菜は6%、魚介類は3%、緑茶は11%の低下が見られた
  • ご飯、みそ汁、牛肉・豚肉は、量が多くても少なくても死亡リスクに違いは出なかった

 

ってことで、全体をざっくりまとめると、

 

  • やはり日本食は体にいい! 特に海藻と緑茶は良さそう
  • 白米と肉の消費はそこまでこだわらなくていい?

 

みたいになりますかね。まぁ日本食は昔から「食塩の量が多くない?」と言われるんで、そこらへんを調整したら地中海食にならぶ良い食事法になるのかもっすな。

 

 

 

カップルが仲良くなりたきゃアートだ!

カップルの仲を良くする方法はいろいろあって、

 

 

などの方法が考えられるわけですが、新しいデータ(R)は「アートを共同制作せよ!」って結論になってておもしろいです。

 

 

これはベイラー大学などの調査で、

 

  1. 25〜40歳のカップル20組を集める
  2. カップルを半分に分け、ひとつのグループにはボードゲームに参加してもらい、もうひとつのグループには絵画教室に参加してもらう
  3. 参加者のオキシトシン濃度を測定しつつ、全員のボディタッチやアイコンタクトの頻度を調べる

 

みたいになってます。オキシトシンは俗に「恋愛ホルモン」と呼ばれる物質で、他者との仲が良いほど分泌量が高まることがわかってたりします。また、絵画教室に参加したグループは「ビーチの絵」を一緒に描くように求められたとのこと。

 

 

で、その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 一緒に絵を描いたグループは、ボードゲームグループの2倍もオキシトシンが出ていた!
  • 一緒に絵を描いたグループは、ボディタッチの量も増えた!

 

って感じだったそうです。2倍ってのはまた意外なほど大きい数字っすね。

 

 

研究チームいわく、

 

当初、私たちは反対の結果を予測していた。ボードゲームで遊んだカップルの方がゲームの戦略についてより多くコミュニケーションを取るため、オキシトシンの分泌量も多いと考えていた。

 

しかし、実際には違った。一般的にアートクラスをデートの場に選ぶ人は少ないが、一緒に絵を描いたカップルは、活動の相互作用が高まり、より良いコミュニケーションが促進された。

 

とのことで、言われてみれば「共同で何かを作る」ほうがコミュニケーションの密度は濃くなるかもしんないっすね。今のパートナーと仲良くなりたい方はお試しをー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。