今週の小ネタ:カップルの仲を改善する秘訣、買い物の傾向で人間の性格はわかるか、IQが低い人に特有の性格
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
カップルの仲を改善する秘訣とは?
まずはフロリダ州立大学の研究(R)で、「カップルの仲を改善する秘訣はこれだ!」みたいな内容になってます。
具体的には218人のカップルを集めて、以下のポイントをチェックしてます。
- ふたりの幸福度はどれぐらいですか?
- 各自のマインドフルネスレベルはどれぐらいですか?
ご存じのとおり、マインドフルネスは現在の瞬間に注意を払い、その良し悪しを判断しない態度のこと。この能力が高ければ、当然パートナーとの関係もいいんじゃないか?と研究チームは考えたわけですな。
で、結果は研究者の予測どおりで、
- カップルの両者がマインドフルであるほど、ふたりのストレスは少なくなり、幸福度も高い!
って傾向が確認されたそうな。まぁ以前にも「マインドフルな人ほどモテる!」ってデータは出てたんで、これも当たり前の結果かもしれません。そりゃあこちらの話に注意を向けてくれない人とは仲良くしたくないですもんね。
研究チームいわく、
買い物や勉強などの場面でマインドフルを発揮できる人は少なくない。しかし、あなたは親密な人ともしっかりとマインドフルでいられているだろうか?
ってことですんで、いまのパートナーとギクシャクしてる方は頭の隅に入れとくといいかもしれません。
買い物の傾向で人間の性格はわかるか?
次はロンドン大学の研究(R)で、「買い物の傾向で人間の性格はわかるか?」ってのがテーマになってます。
具体的には2,193人を対象にした観察研究になっていて、
- 性格テストでみんなのビッグファイブなどをチェック
- 銀行の協力を得てみんなの支出記録をチェック
ってステップで、お買い物の内容と性格の傾向を照らし合わせたんだそうな。それで何がわかったかと言いますと、
- 買い物の傾向で人間の性格はそこまでわからない!
- いちおう開放性が高い人は旅行代が多かったり、誠実性が高い人は貯金が多かったりしたけど、そこまでの相関ではない
- もっとも相関が大きいのは「物質主義者」で、宝石などへの支出が多い傾向があったけど、まぁこれは当たり前ですな
ってことで、買い物の傾向を見てもそこまで性格がわかるわけでもないみたい。全体的には確実な傾向が出てるけど、これなら他の指標を使った方が良さそうではあります(SNSの使用状況とか)。
IQが低い人に特有の性格ってあるの?
最後はアムステルダム大学などの研究(R)で、646人の双子を対象に「IQが低い人に特有の性格ってあるの?」って問題を探っております。
研究デザインは簡単で、
- みんなのIQレベルを調べる
- ビッグファイブの結果とくらべる
といった感じで相関をチェックしたところ、
- 神経症傾向が強い人ほどIQが低い!
って傾向があったんだそうな。なんかわかりますな。
研究チームいわく、
神経症傾向が強い人は敏感で、感情的で、心配事が多く、気分屋で、すぐに鬱傾向になりやすい。その上、睡眠の質も下がるため、さらにメンタルを悪化させてしまう。
とのこと。神経症傾向によるメンタルの不全がIQに悪影響を与えてるんじゃないか、と。
実は神経症傾向の人ほどIQが高い傾向は過去にも確認されてまして(R)、こちらの結果によると、
- 神経症傾向にともなう不安の悪影響を調整したら、知性のレベルは平均になった!
って結果も出てたりします。要するに、神経症傾向の人は生まれつきIQが低いわけじゃなくて、たんに不安のせいで持ち前のスペックを活かせてないだけなのだ!ってことですね。
研究チームいわく、
神経症傾向が強い人は、テストなどでより強い不安感を感じてしまう。この不安感がIQテストの成績を下げるのだろう。
とのことなんで、決して神経症傾向が強くても気落ちなされませぬよう(私のことですが)。