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「テトリス vs. マインドフルネス」ストレス解消に効くのはどっちだ?みたいな実験


 
スマホゲームとマインドフルネスはどっちがストレスに効くんだ?」って疑問について調べたちょい変わった論文(R)が出てたのでメモ。


これはバース大学などの研究で、2つの実験が行われております。ひとつめの実験は45人の学生が対象で、全員に難しい数学てのテストを受けさせて精神的なストレスを与えたんだそうな。

で、その後で全体を3つのグループに分けてます。

  1. スマホのゲームをする(「ブロック!ヘキサ パズル」ってやつ)
  2. スマホのマインドフルネス アプリをプレイする(「ヘッドスペース」を採用)
  3. ハンドスピナーで遊ぶ

各グループのプレイ時間は10分で、参加者のストレスにどんな違いが出たかをチェックしたそうな。


マインドフルネスがメンタルの改善に効くのはほぼ確実な話で、このブログでもメリットをいろいろと紹介してまいりました。一方で、「なんでスマホのゲームをプレイさせたの?」と思った方もいるかもですけど、実は過去にも「テトリスでネガティブな思考が減る!」みたいなデータが出てたりして、一定のストレス改善効果が認められてたんですよ。


なんでゲームでストレスが改善したのかと言いますと、

  • ネガティブな記憶や感情から注意がそれる
  • リラックスさせてくれる
  • 人間のコントロール感覚を高めてくれる

といった要素が大きいと考えられてます。ただし、この効果はおそらく「テトリス」や「ブロック!ヘキサ パズル」みたいにシンプルなパズルゲームに限られてて、「MOBA」や「スーマリ64」みたいに認知機能を酷使するようなゲームには当てはまらない可能性が大なんでご注意ください。


さて、その結果なにがわかったかと言いますと、

  • ゲームで遊んだ方がマインドフルネスアプリよりも活力がアップした!

だったそうです。被験者に4点満点で活力感を採点してもらったら、ゲームで遊んだグループの点数が一番高かったんですよ。


研究チームいわく、

スマホのゲームに集中しすぎて罪悪感を持つ人も多いかもしれないが、実はストレスが多かった日の後でプレイすると、予想もしないメリットを得られることがある。

とのこと。ちなみにもうひとつの実験では20人の参加者に「仕事が終わったらゲームかマインドフルネスのどっちかを試してね!」と指示してまして、こちらも結果は同じ。5日後の効果をチェックしたら、やっぱりゲームで遊んだグループの方がエネルギーが回復してたんだそうな。

全体的に見れば、スマホゲームをより楽しんだ者ほど仕事のストレスからの回復レベルも高くなった。

って感じだったそうで、どうも一時的にネガティブな感情から注意をそらせたのが大きいのかなーって気がしております。


といっても、当たり前ですけどこれで「マインドフルネよりゲームの方が優秀!」って話にはならないのでご注意ください。瞑想などでマインドフルネスを体験するのは割と難しい作業なので、おそらく5日ほどの介入だと本来の実力は発揮できないでしょうしね。


ただ、今回の実験ではあらためて「シンプルなゲームならストレス解消に効く!」って可能性を示した感じでよろしいのではないでしょうか。イライラするたびにゲームに逃げ込むのはどうかと思いますが、1日の終わりのリラックスタイムにゲームを楽しむのならありかもですな。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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