今週半ばの小ネタ:好きな音楽と性格、泣くと落ち着くのはなぜ?、ペットのストレス解消効果
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
好きな音楽でパーソナリティはどこまでわかるか?
まずはペンシルバニア大学の研究(R)で、「音楽の好みはどこまで人間の性格を反映するの?」ってとこを調べてくれてます。
これは、だいたい21,000人の男女を対象にした研究で、オンラインで全員のビッグファイブなどを調べた上に、25種類の音楽ジャンルから適当なメロディだけを聞くように指示。その上で、「どのメロディが好きですか?」と尋ね、すべてのデータをまとめた内容になっております。
では、その結論をざっと並べていきますと、
- 協調性が高い人は、どんな音楽でも「いい曲ですねー」と判断した
- 神経症傾向が強い人は、いろんな音楽にケチをつけまくった
- 外向性が高い人は、ゆったりしたテンポのアコースティック音楽を好んだ(カントリーとかフォークとか)
- 開放性が高い人は、複雑でダイナミックな音楽を好み(オペラとか)、スローな曲にはあまり興味を示さなかった
- 誠実性が高い人が特に好みやすい音楽は確認されなかった
だったそうな。協調性が高い人はどんな音楽でも好きってのは、ちょっと笑っちゃいますね。
この手の研究って、いままでは20代前後の人だけを対象にしてたことが多かったんですけど、こちらは全体の半数に中年もふくまれてまして、過去のデータよりも信頼できそうなのがいい感じでしたねー。
泣くと落ち着くのはなぜ?問題
次はティルブルフ大学の研究(R)で、「泣くと落ち着くのはなぜ?」って問題を扱ってます。嫌なことがあった時に泣きまくると、ちょっと気持ちがラクになるのはなんでだろう?って疑問っすね。
こちらは197人の学生を2つのグループに分けてます。
- 悲しい動画を見て涙を流させる
- ニュートラルな動画を見る
動画の視聴時間は17分で、その後、全員に対して「冷たい氷水に手をひたしてくださいね!」と指示し、わざとストレスを与えたんだそうな。
それで何がわかったかと言いますと、
- 泣いたからといってストレスホルモンが下がるわけではない(コルチゾールの量は両グループとも同じだった)
- 別にストレスに強くなるわけでもない(氷水に耐えられなくなる時間は両グループとも同じだった)
- ただし、よく泣いた人ほど呼吸のコントロールが上手くなっていた
だったそうです。要するに、泣くと落ち着くのはストレス耐性がついたからではなく、呼吸がスローペースになったおかげじゃないのか、と。
まぁこの研究は、現実世界で人間が泣くような状況を正しくシミュレートできてるわけじゃないので、この仮説がどこまで正しいのは謎です。が、とりあえず呼吸のコントロールがメンタルに大きな影響を持つのは間違いありませんので、心に留めていただくと良いかと思います。
ペットのストレス解消効果はすごいぞ!
最後はワシントン州立大学の研究(R)で、「ペットのストレス解消効果はすごいぞ!」って内容になってます。動物がもたらすポジティブ感覚の強さは過去にも出てましたけど、今回のはちゃんとコルチゾールレベルを測ってて定量的なのがいい感じです。
これは249人の学生を対象にした研究で、全体を4グループに分けてます。
- 犬や猫と10分ふれあう
- 他の人が犬や猫と遊ぶ様子を10分ながめる
- 犬や猫の写真を10分見る
- なにもせず10分過ごす
その後、全員のストレスホルモンを調べたら、こんな結果になったそうな。
- 実際に動物と遊んだグループは、ほかよりもコルチゾールが激減してた!
だったそうです。まぁ決定的な結論を出すにはまだサンプル数が少ない気はするものの、10分のふれあいでもいいってのはなかなか凄いもんですな。
ペットを飼っている方はもちろん、動物が身近にいない方は「猫カフェ」などもストレス低減の場として使えるのかもっすねー。