新型コロナに関する近ごろ気になったデータ:ビタミンDとコロナの症状、自然&瞑想とパンデミックのストレス対策
なかなか新型コロナの猛威がおさまらないもんですなぁ。ということで、近ごろ見て気になった新型コロナ関連のデータをまとめておきます。
ビタミンDで新型コロナの症状がやわらぐ?
ビタミンDが新型コロナに有効なのでは?みたいな話は初期からあったものの、くわしいとこはまだよくわからんのが正直なところ。おそらく体内のビタミンDレベルが低い人には意味があると思うものの、果たしてそれ以外の人に役立つかどうかはまだ謎が多いんですよね。
といったところで、「ビタミンDサプリが新型コロナの症状に効くの?」ってのを調べたメタ分析(R)が出ておりました。IIPH-Gなどの先生が行った研究で、スペイン、ブラジル、インドで行われたRCT2件と、ケースコントロール研究1件をピックアップして、新型コロナの陽性患者532人のデータをまとめてます。全体的に質が高いわけじゃないんですけど、とりあえず現時点では耳を貸すべき結論を出してくれてるんじゃないかと。
で、ざっとした結論からまとめちゃうと、こんな感じです。
- ビタミンDサプリは、ICUへの入院が必要な重症患者とそうでない患者の両方において、症状をやわらげることが確認された
- ただし、ビタミンDサプリを飲んでも、新型コロナによる死亡率は変わらなかった
ってことで、それなりに症状をやわらてくれるかもしんないみたいっすね。実験で使われたサプリの投与量や期間がバラバラなんで、「これぐらいのビタミンDを飲もうぜ!」といったことは言えないものの、やっぱビタミンDは大事なんだろうなーってとこですね。
チームいわく、
血中のビタミンDレベルが40~50ng/mlの人は、新型コロナの重症度が低いことが観察されている。
とのこと。冬になるとどうしても体内のビタミンDレベルは下がりやすいので、ぜひお気をつけください。
パンデミックのストレス対策で「自然」を愛する人が激増してる件
「最高の体調」では「自然いいよ!心にも身体にもいいよ!」って話をくり返してますが、新しいデータ(R)では「パンデミックのストレス対策にも自然は良いよ!」みたいな結論になってました。あくまで予備的な研究ですが、いかにもありそうな話だなーとは思うわけです。
これはバーモント大学などの研究で、アメリカで行われた5 月のロックダウン中に3,200人以上へオンライン調査を実施。パンデミック中にどんな過ごし方をして、メンタルヘルスはどのように変化したかを尋ねたんだそうな。
で、全体的にどんな傾向が見られたかと言いますと、
- パンデミックの期間中は、普段は自然と関わることのない人でも自然と触れ合う機会が増えた。具体的には野生動物の観察が64%増、ガーデニングが57%増、外で一人でリラックスが58%増って感じ
- 自然との関わり合いかたも変わり、メンタルヘルスと幸福の感覚が増した人が59%、自然への感謝が増した人が29%、アイデンティティの感覚が強固になった人が23%って感じ
ってことでして、パンデミックのストレスによって自然に癒しを求める人がだいぶ増えたみたいっすね。まぁ友人と触れ合うわけにもいかない状況では、最終的に自然に行き着く人が多くなるのも当然と申しますしょうか。わたしもキャンプに行かねば……。
瞑想をすればするほどパンデミックのストレスに強くなる?
ストレス対策といえば、「自然」のほかにもうひとつ「瞑想」も欠かせない要素。イタリアで行われた試験(R)では、「マインドフルネス瞑想でパンデミックの精神ダメージに立ち向かえるか?」ってとこを調べてくれておりました。
どんな実験だったかと言うと、
- 平均年齢50歳のイタリア人教師58人に、8週間のマインドフルネス瞑想コースに参加してもらう
- プログラムの前後に心理テストを行い、瞑想コースの効果を確認する
みたいになってます。コースに含まれたのは、マインドフルネス瞑想の指導、グループでの瞑想に関するディスカッション、自宅での瞑想練習を1日30分って感じだったそうです。詳細はわからないんですけど、瞑想コースとしてはわりと一般的な感じですかね。
でもって8週間後の変化を見たところ、
- 全体的に教師たちの不安や抑うつ状態に改善が見られた!
- 心理的な幸福感、感情的な共感レベル、燃え尽き症候群のレベルにも改善が見られた!
- 参加者の主観的な評価でも「瞑想がなかったらもっと悪かっただろうなー」って実感があった
という結果だったそうな。データを見てると、メンタルヘルスの改善量は瞑想の実践時間と相関してまして、これを見る限り「瞑想をすればするほど良さそう?」って感じっすね。
1日30分の瞑想トレーニングならどうにか続けられそうな気もしますし、自粛であまった時間を費やしてみるのもいいかもですねー。