低糖質やベジタリアンで運動のパフォーマンスは上がるの?下がるの?
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「運動に効く食事法ってどんなの?」みたいな話をまとめたレビュー(R)が出ておりました。高脂肪食とかベジタリアンとか、世の中にはいろんな食事法がありますが、それぞれ運動のパフォーマンスにはどのような影響があるの?みたいな話っすね。
これは「食事と運動」に関する過去の研究から57のデータをピックアップし、”おいしいところ”だけをまとめたレビュー論文になっております。ここで調査の対象になった食事法は、
の5つでして、それぞれのメリットとデメリットをまとめてくれております。要点を端的にまとめると、こんな感じ。
ベジタリアン
ベジタリアンのメリット
- ベジタリアン食の研究では、菜食により運動パフォーマンスが向上し、運動の酸化ストレスや炎症反応を調節し、そのおかげで持久力がアップする可能性がある
- ただし、ベジタリアンと雑食のアスリートの有酸素能力を測定した研究では、賛否両論の結果が報告されていてよくわからない(ベジタリアンと雑食の持久系アスリートを調べた調査でも、両グループの運動能力に差がないことが示唆されている)
- ベジタリアンはポリフェノールの摂取量が多いので、アスリートに起こりがちな風邪にかかりにくい可能性がある
- ベジタリアンは筋肉のエネルギー量が増えて、疲労感がやわらぐかもしれない(要するに、糖質量が多いぶんだけパフォーマンスが上がる)
ベジタリアンのデメリット
- ベジタリアン食には、微量栄養素の欠乏、食事のエネルギー利用率、タンパク質の質・量の問題が起きやすいため、特定の栄養素が不足するリスクは高い特に、オメガ3、鉄、亜鉛、ヨウ素、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB12などへの配慮が必要になる
- 実際、ビーガンなアスリートの食品消費を調査したところ、ほとんどの選手が推奨エネルギー摂取量に達しなかったとの報告もある
- そのせいで、ベジタリアンのアスリートには、鉄欠乏性貧血、月経障害、筋骨格の損傷、免疫、ホルモン不調などの様々な代謝リスクもある
高脂肪食
高脂肪食のメリット
- 高脂肪食は脂肪酸とケトン体の利用率を向上させ、筋グリコーゲン貯蔵量を節約し、有酸素運動能力を向上させるかもしれない(長時間の運動には役立つ可能性がある)
- ただし、高負荷の運動はどうしても筋グリコーゲンが優先されるので、短時間で負荷が高い運動にはたぶん向いてない
高脂肪食のデメリット
- 高脂肪食は酸素をより多く使うため、ランニングパフォーマンスの低下が起きやすいと思われる(グリコーゲンの利用率が高まっても、エネルギーの変換スピードが遅くなる)
- その他、胃腸の状態の悪化、コレステロールやリポタンパク質レベルの上昇などによるパフォーマンスの低下も考えられる
- 高脂肪食は骨がもろくなる可能性があり、これも悪影響をあたえるかもしれない
プチ断食
プチ断食のメリット
- プチ断食と運動に関する研究はほとんどないが、12~16時間以上のエネルギー制限は、基本的なエネルギー燃料を炭水化物から脂肪へと切り替えることになり、脂肪のエネルギー化を促進するかもしれない。
- 運動とプチ断食を組み焦ると、細胞の代謝がグルコースからケトン体に切り替わり その結果、ミトコンドリアの生合成が誘発されて筋肉量が維持されるかもしれない
プチ断食のデメリット
- 栄養の不足による持久力の低下、疲労の増加、睡眠習慣の変化が指摘されることがあるが、研究によって結果がバラバラでよくわからない(おそらく長期の断食でなければ大丈夫な気はする)
- また、断食には脱水のリスクもあるので、注意が必要となる
グルテンフリー
グルテンフリーのメリット
- 当然、グルテンに過敏なアスリートであれば良い結果が得られると思うが、関係ないアスリートがグルテンフリーでパフォーマンスの有意な向上は確認されていない
- ただし、アスリートは一般集団と比較して、グルテンフリーに弱いと診断される可能性が3.85倍高く、その意味でメリットはあるのかもしれない
グルテンフリーのデメリット
- グルテンフリーはカロリー、微量栄養素、食物繊維の不足につながりやすく、運動に悪影響を起こす可能性はある。ただし、具体的に調べたデータは十分ではない。
まとめ
ってことで、全体的にはどの食事にも一長一短があるみたいでして、普通にバランスが良い食事がベストでは?って気がしてきました笑 個人的には「特定の食材を減らす食事」じゃなくて、質にこだわったバランス食がいいんじゃないかなーとか思った次第です。