「その人生改善アドバイスは人によるなー」のまとめ
https://yuchrszk.blogspot.com/2021/03/blog-post_29.html
なんかわかりにくいタイトルですいません。何が言いたいかといいますと、世の中にはいろんな人生のアドバイスがあるじゃないですか。たとえば、
- 目標は紙に書いて他人に伝えよう!
- 不要なものは徹底的に片付けよう!
- 理想的な未来を思い描こう!
みたいなやつです。こういった手法が完全にムダとは言わないものの、「人の性格とか環境によるよなー」と思うことがめちゃくちゃ多いもんですから。
逆に「人によらないアドバイス」といえば、
- 質の良い食事をする
- 定期的に運動する
- よく眠る
みたいなもんがありまして、ここらへんはほぼ万人がメリットを得られるのは確実。これに対して「人によるアドバイス」ってのは、だいたい五分五分ぐらいでしか意味がないタイプのアドバイスだとお考えください。
では、具体的にどんなものがあるかリストアップしてみたら、以下のような感じになりました。
- 成功したきゃ整理整頓だ!
「生産性を上げるにはデスクをきれいに!」と言うケースもよくありますが、Journal of Consumer Research誌に掲載された研究(R)とかだと、「結局は好みの問題じゃない?」ぐらいの結論だったりします。もともとキレイ好きな人はキレイなデスクで生産性が上がるし、そうでない人には関係ないよねーって話です。
同時に、一部では「散らかった机は人間の創造性を上げる」って報告もありまして(R)、これもまた好みの問題だよなーとか思うわけです。 - 先延ばしは生産性の敵だ!
先延ばしが良くないってデータは多く、私も具体的な対策を死ぬほど取り上げてまいりました。が、一方では2009年にJournal of Neuroscience誌に掲載された研究(R)だと、「多少の先延ばしや空想は、最終的に仕事に取り掛かる際の集中力を高めてくれるよー」って話もあったりします。
もちろん締め切りギリギリまで引っ張る先延ばしは問題ながら、本人が「この先延ばしは仕事の質を高めるのに役立つのだ!」みたいな明確な意識があれば、逆に役立つこともあるっぽい。 - 早起きで生産性をあげよう!
早起き信仰は世界中にありまして、「朝5時起きが最強!」みたいな話もよく耳にするところ。しかし、近年の研究(R)では、「早起きが役立つかどうかは生まれつきの素質が大事」って結論に落ち着きつつありまして、夜型の人が早起きを目指しても非効率的なだけであります。ご注意ください。 - 毎日ポジティブな言葉を繰り返そうぜ!
「自分はできる!」みたいな言葉を繰り返すと、だんだんその気になってくるよーみたいなテクニックもよく耳にしますが、テキサス大の研究(R)などを見てますと、「自尊心の低い人は、自分からのポジティブなフィードバックを受け入れられない」って結論だったりします。
要するに、自尊心の低い人は自分に対する評価が低いので、「自分があまり尊敬していない人(つまり自分)がどんなポジティブなことを言っても無駄」ってことです。そりゃそうですよね。
まぁすでに自信がある人が一時的に自分を盛り上げるのにはいいんでしょうが、それ以外で使うのは無理かも。 - ハードワークは善なんだぜ!
確かに複数の研究では「成功者はハードワーカーが多い!」って報告もあるんですが、いっぽうで国際労働機関(ILO)の調査(R)などを見てると、「長時間労働は疲労につながるし、達成感も減っちゃうし、仕事のミスが起こりやすくなるしでいいことないよねー」みたいな結論だったりします。
おそらく高収入な人にハードワーカーが多いのは、もともとハードワークをこなせるだけの頭脳を持ってるか、ハードワークによる幸福度の低下を乗り越えられるほど欲望が深いのではないか?ぐらいに考えております。 - とにかく自信を持とうぜ!
こないだの授賞式でも「自分のスキルや経験に自信が持てない」みたいなお悩みをいただいたんですが、今日の心理学では「自信をつけよう!」って考え方はほとんど過去のものになってたりします。
もちろん「自尊心が高い人は成功している!」みたいな報告もあるんですけど、これはあくまで成長マインドセットとレジリエンスがあってこそでして、両者なくして自尊心だけ高くでも「たんに心が弱いナルシスト」ができあがるだけなんすよね。
ちなみに、バウマイスター先生いわく(R)、「根拠もないのに自尊心ばかり高ければ、自己愛のバブルが崩壊する可能性も高くなる」ってことで、結局は「自尊心は無視して成果を上げるのが先」ともうせましょう。