今週末の小ネタ:太りにくい性格、性格のイメージ、カフェインで脂肪が燃えまくり?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
太りにくい性格の日本人ってどんな人?
その昔、「人間の体重は性格に左右される」って話がありました。いわゆる性格のビッグファイブによって、太りやすい人と太りにくい人がいるんだよーって話っすね。まぁ普通に考えてもマジメな性格の人ほど健康的で運動もするでしょうから、性格と体重に関係があるのは納得できる話です。
で、新たに早稲田大学が行った調査(R)も、「性格と体型には関係があるよ!」って話になっておりました。主筆の小塩真司先生は「性格とは何か」などで有名な、性格研究の第一人者ですね。
ざっくりどんな話かといいますと、
- 3つのアンケートから得られた24776人のデータを分析
- それぞれのビッグファイブ(TIPI-Jを使用)とBMIの関係を比べる
みたいになってます。日本ではあんま類似の研究が少ないので、貴重な内容じゃないでしょうか。
でもって結論だけまとめるとこんな感じです。
- 3つのどのアンケートでも、「まじめにコツコツやれる性格の人」(勤勉性が高い人)ほどBMIが低かった
- 「人づきあいが好きな人」(外向性が高い人)はBMIが大きい傾向もあった(ただし勤勉せいほどの一貫性はない)
みたいなことでして、やはり「まじめで誠実な人」ほど体重が低い傾向があったらしい。一方で、外向性が高い人が太りやすいのは外食が多くなりがちだからだろうってことで、こちらも納得の結果ですね。
もちろん「BMIを体型の指標に使うのはどうなの?」って疑問もありましょうが、とりあえず「まじめで誠実な人」ほど健康って傾向は世界的に見られるものですし、日本でも似たようなもんなんでしょうな。
一般人のビッグファイブイメージは専門的に正しいのか?問題
続いてもビッグファイブのお話(R)で、「素人が抱く性格のイメージは専門的に正しいのか?」を問題にしています。要するに、私たちは日常会話の中で「あの人は外向的だ!」とか「彼は誠実だ!」みたいなことを言うけど、このような使い方は専門家から見て正しいのか?ってポイントですね。
どんな研究だったかと言いますと、
- 250人近いアメリカ人に「知り合いが〇〇〇(ビッグファイブの性格のひとつを入れる)な性格だった場合、その人はどのような特徴を持ち、どのような行動を取るでしょうか?」と尋ねる
- 約350人のアメリカ人に、「過去3カ月の間に誰かを〇〇〇(ビッグファイブの性格のひとつを入れる)な性格だと判断したとき、そこで判断の材料に使った手がかりを教えてください」と尋ねる
みたいな感じで、心理学にくわしくない人たちに「ぼんやりとしたビッグファイブのイメージ」を聞いてみたわけっすな。
それでどんな傾向がわかったのかと言いますと、
- ビッグファイブには「協調性」(他者の気持ちを思いやる傾向)がふくまれるが、一般人でこの要素に触れた人はほとんどいない
- 多くの参加者は、外向的で誠実的な人のことを「優しくて思いやりがある」という観点から評価していたが、実際の性格特性からすれば、これらの属性は「協調性」にふくまれる
- パーソナリティ科学では、衝動性や自意識過剰は「神経症傾向の高さ」に分類されているが、これらの属性は参加者から言及されなかった
みたいな感じだったそうです。確かに「外向的」のように普通に使う言葉は、日常の用法に引っ張られてしまいがちですからねぇ。定期的に定義をチェックするのは悪くないかもしんないっすね。
運動前のカフェインで脂肪が燃えやすくなる!……かも
最後はみんな大好きカフェインのお話(R)で、まず結論から申し上げますと、
- 運動の30分前にカフェインを飲むと脂肪が燃えやすい!
みたいになります。まぁ15人の男性を対象にした小規模研究なんで、これで「カフェインでダイエットだ!」みたいには言えないものの、ちょっとおもしろい結論ではないかと。
具体的にどんな実験だったかと言いますと、
- 15人の男性に、午前8時と午後5時の二つのタイミングで、それぞれ体重1kgあたり3mg のカフェインを飲んでもらう
- そのまま運動してもらい、脂肪が燃えた割合を計測する
みたいになってます。すると、有酸素運動を行う30分前にカフェインを飲んだグループは、どんな時間でも運動中の脂肪が10〜30%近く燃えやすくなったんだそうな。体重1kgあたり3mgのカフェインってそこそこの量なので、カフェインに弱い私としては躊躇しちゃうとこですが、カフェインに強い方なら試す価値がありましょう。
くり返しになりますけど、あくまで小規模な研究なのがあれですが、カフェインは運動のパフォーマンスアップにも効きますんで、それだけでもお使いいただくだけのメリットはあるかなーと思う次第です。