グルテンフリーは健康体の人にも意味があるの?問題に割と説得的なデータが出てた件
「グルテンフリーどうなの?」って話はこのブログでも何度か書いていて、
- しかしグルテンフリーが健康的な人にも意味があるかは怪しい
ぐらいが現時点の見方かと思います。グルテンでお腹を壊したり頭痛が起きたりする人なら意味はあるものの、個人的には「『いつものパン』があなたを殺す」みたいな見解は極端だよなーとか考えてる次第です。かくいう私はグルテンで意外と腹を壊しがちなので、そこそこ控えているんですけどね。
で、新しいデータ(R)も似たような話で、「健康な人にもグルテンフリーって意味あるの?」って問題をあつかっています。
これはシェフィールド大学などの研究で、平均年齢38歳の男女28人を対象にしたもの。みんな実験前にテストを受けて、セリアック病のようにグルテンへの極度なアレルギーがない健康体な人だけを選んだんだそうな。
実験のデザインをざっくり申し上げますと、
- まずは全員に2週間のグルテンフリーダイエットをしてもらう
- みんなの主観的なお腹の調子と疲労感を記録に残してもらう(お腹の痛みとか消化不良のレベルとか)
- 全体を2つのグループに分けて、一方には本当のグルテンを14gほど飲んでもらい、もう一方にはただの糖質を14gほど飲んでもらう
- 両グループにどんな違いが出たかを見る
みたいになってます。サンプル数は少ないものの、しっかりしたデザインでよろしいのではないでしょうか。
「『いつものパン』があなたを殺す」なんかだと「どんな健康体な人でもグルテンで疲労感が出る!」といった主張をしてまして、それが事実であれば、この実験でグルテンをとったグループには何らかの異常が出なきゃおかしいわけですね。意外かもですが、実はこのタイプの実験はかつて行われたことがありませんで、ようやく「健康体の人にも本当にグルテンは悪いのか?」問題にある程度の目星がつけられるわけです。
さて、その結果どんなことがわかったかと言いますと、
- グルテンを食べたところで何の異常もなし!
だったそうです。それどころか、下痢の症状についてはグルテンを食べたグループの方が改善してまして、なんだかなぁみたいな感じであります。
研究チームいわく、
今回の研究は、健康体の人にはグルテンが何の悪影響ももたらさないことを示した、世界でも初めてのDRCT(※実験デザインのゴールドスタンダード)だ。14gのグルテンでどのような変化が起きるかを2週間にわたって試したが、両グループには目立った違いが確認されなかった。
グルテンフリーダイエットが流行した理由には様々なものがあるが、世間で言われるような「グルテンフリーには健康効果がある」と言った見方には、特にメリットがなさそうだ。おそらく、グルテンフリーダイエットにはノーマルな食事よりも良い面はない。
とのことで、グルテンフリーのメリットをガッツリと否定されておりました。まだ確定的なレベルではないものの、グルテンフリーダイエッターにはかなり不利な状況にはなりましたね。
まぁグルテンフリーについては、そもそも「グルテン過敏の原因は食物繊維だ!」って説があるので、まだまだよくわからないところが多いのも確かではあります。やっぱ自分で確かめてみるしかないでしょうねぇ。