皮膚のバリア機能を改善するためにはどんなサプリが効くの?のナラティブレビューとか
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「不老長寿メソッド」では、「皮膚はヒトの体で最も大きな器官で、体を保護する重要な機能を果たしているよ!」みたいな話を書いてます。
皮膚はヒトの体を守るために日ごろから働いていて、一番外側の「皮膚バリア」が正常に機能しないと、異物が体内に侵入してアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などが発生しがち。免疫システムを正しく働かせるためにも、美しい見た目を保つためにも皮膚バリアの保護は必須。
ということで、ベイラー医科大学 などの先生方が、「皮膚バリアを保つための良い方法はどれなの?」ってあたりを調べたナラティブレビュー(R)を出してくれておりました。
ナラティブレビューは過去の研究をまとめたものですが、メタ分析とは違って「どうやって論文を選んだの?」ってとこは明らかにしてないので、そのぶん著者の主観が入りやすくなります。その点で信頼性は低くなっちゃいますが、参考程度に使うぶんにはアリ。
で、この研究では、プレバイオティクス、プロバイオティクス、脂肪酸、その他のテクニックが皮膚のバリア機能にあたえる影響について一般的な見解を示してくれてます。ざっくりまとめると、以下のような感じ。
- プロバイオティクスの効果:ロイテリ菌を肌に塗った研究では、炎症をもたらす成分が減少し、アクアポリン3が起動した(肌に水を送り込むメカニズム)。
Lactobacillus rhamnosusを肌に塗った研究では、皮膚バリアタンパク質であるロリクリンおよびフィラグリンの発現が改善した。
Lactobacillus plantarumのサプリを口から飲んだ試験では、12週間後に皮膚の水分量とTEWL(肌の水分がどれだけ外に逃げているかを測定した数値)が増加した。
Lactobacillus paracaseiのサプリを口から飲んだ試験では、2ヶ月後にTEWLが改善した。
Lactococcus lactiをふくむミルクを4週間摂取したところ、皮膚の水分量が増加し、皮脂量も有意に増加する傾向が見られた。
- オメガ3脂肪酸の効果:亜麻仁油を12週間毎日摂取したテストでは、被験者のTEWL、皮膚の水分量、皮膚のかさつき、荒れが改善された。
DHAを8週間摂取した研究では、アトピー性皮膚炎の改善が見られた。
フィッシュオイルを4ヶ月間摂取した研究でも、アトピー性皮膚炎の症状が30%改善した
- ガンマリノレン酸の効果:月見草油とボラージ油についてはは、多くの試験でTEWLに対する有益な効果が示されている。ガンマリノレン酸の血清レベルが低い人ほど、TEWLのより大きな改善が見られる可能性がある
- L-ヒスチジンの効果:L-ヒスチジンを4週間毎日摂取したところ、フィラグリン(皮膚バリアの形成に不可欠なタンパク質)と皮膚バリア機能の両方が有意に増加し、アトピー性皮膚炎の重症度が改善されたとの報告がある。
ってことで、ざっと見てきましたが、総論としては「まだまだ研究としては発展途上だな〜」って印象が強く、私としてはどれも強くおすすめはしません。プロバイオティクスなどは、「お腹の調子がよくなるついでに美肌になればいいなぁ」ぐらいの感覚で試すのは良いかと思いますが。
個人的には、近ごろヒスチジンのデータをよく見かけるので、ちょっと気になるかなーぐらいの感じっすね。