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ベタインってサプリを飲めば運動の疲れが減る!はどこまで本当なのか?問題

 

久々にベタインの話です。ベタインはマイナーな筋トレサプリのひとつで、ホウレン草、ビーツ、魚介類なんかに入ってる成分。2019年のエントリで取り上げたときは、

 

  • ベタインで体脂肪が減るかも知んないけど、かなり証拠は限定的だよなー

 

ぐらいの印象でありました。運動のパフォーマンスや体型改善に効く!って報告がある一方で、意味がなさそうだ!って報告もありまして、「ある程度の期待は持てるかなー」ぐらいが暫定的な結論だったんですよ。

 

 

ということで、新たに出た研究(R)では、あらためてベタインの性能を探ってくれてまして、ちょっとおもしろい感じでした。

 

 

具体的にどんな実験かと言いますと、

 

  1. 23名の健康な女性が対象(平均21.8歳で体脂肪23.2%)

  2. 参加者を2つのグループに分け、片方のグループは1日にベタインを2.4g摂取(朝1.2g、夜1.2g)。もう一方のグループは、ベタインではなくマイクロセルロースの粉末を摂取(もちろん、実験期間中は、ほうれん草、ビーツ、魚介類などの高ベタイン食品を避けるように指示)

  3. 実験期間は2週間で、みんなの体重と皮下脂肪を測り、さらにエアロバイクをこいでもらって運動のパフォーマンスが変わったかを見る(運動の所要時間は約12分で、終了時の平均RPEは約6.3(10点満点)だったとのこと)

 

みたいになってます。わかりやすいテストで非常によろしいですね。

 

 

でもって、以下に結果です。

 

  • 体脂肪については、ベタインを飲んだグループのほうがざっくり1kg減っていた
  • 筋肉については、ベタインを飲んだグループのほうがざっくり1kg増えていた
  • 運動については、ベタインを飲んだグループは疲労感が減り、スプリントの平均パワーが上がった

 

ということで、これだけ見ると「おい!ベタインすごいんじゃないか?」って気がするんですけど、個人的には「たった2週間で1kgも筋肉が増得て1kgも脂肪が減るなんてあり得るか?」とも思うわけです。これが本当だったらすごい話ですけど、たぶん計測エラーでしょう(ここで使ってるスキンフォールド法はエラーが出やすいんで)。ただし、運動のパフォーマンス改善については「見込みがあるかも?」って感じでして、激しい運動の疲労感なら減らせる可能性はあるかもしんないっすね。ここらへんは、ハードなトレーニングをする人にはいいのかもしれません。

 

 

そんなこんなで、まだベタインについては「十分な証拠がない!」と判断するしかないんでしょうけど、体組成改善やパフォーマンス向上を示した結果がわりと多いので、個人的にまぐれや偽陽性と断定するのはどうかなーって方向に傾いております。私としては、サプリを飲む段階まではいかないものの、「運動の疲れを改善したい!」という方はお試しいただくのもいいでしょう。

 

 

もし試してみたいという方は、1日2.5gのベタインをサプリで摂取するか、

 

  • 小麦ふすま
  • ほうれん草
  • ビーツ
  • エビ
  • 貝類

 

といった食材を摂取することをお試しください。これらの食材を数週間ほど定期的に摂取することで、脂肪量の減少、筋肉の増加、疲労感の改善、運動時の辛さの減少………などの効果が得られればいいなぁってとこですね。私の場合は、日常的にほうれん草をかなり食べているので、サプリはわざわざ買わないつもりですが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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