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低強度と高強度の運動を比べたら、どっちがメンタルの改善に効くの?問題

 
 

運動とメンタルの関係についてはもはや言うまでもないレベルで書いてまして、代表的なところでは、

 

 

といったところがありましょう。ここまで来ると運動で日常の不安やイライラが改善されるのは間違いないものの、まだよくわからないとこもありまして、

 

  • どれぐらいの強度の運動を行うのがメンタルにいいの?

 

ってのは気になるところなんですよ。現時点の見解でいえば、早歩き(時速7〜8キロぐらい)でもメンタルの改善効果は得られるんだけど、おそらく高負荷な運動のほうがいいんじゃないかなーってとこではあるんですよね。

 

 

ってことで、新しいデータ(R)は、「低強度と高強度の運動を比べたらどっちがいいの?」ってあたりを調べてくれててよかったです。今回の研究は2018年のメタ分析(R)をベースにした調査で、このデータでは「高強度の運動は、低強度よりもメンタルに効果的であることがわかった」と結論づけてるんですが、そこをさらに深堀りした内容になってるんですな。

 

 

ここでは12週間の試験を行っていて、不安症候群だと診断された患者さん286名が対象。参加者の平均年齢は39歳で、約半数が少なくとも10年間ほど慢性的な不安に悩んでいたそうな。

 

 

でもって、研究では、参加者を3つのグループのいずれかに無作為に割り当てたらしい。

 

  1. 有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた60分のワークアウトを、低~中程度の強度(最大心拍数の60%)で週3回行う

  2. 有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた60分のワークアウトを、高強度(最大心拍数の約75%)で週3回行う

  3. なんも運動しない

 

そのまま12週間ほどトレーニングを続けてもらったうえで、「ベックうつ病調査表」を使ってみんなのメンタルの変化をチェックしたら、結果は以下のようになりました。

 

  • なんも運動をしなかったグループと比べて、どちらの運動に参加したグループも不安が改善した

 

  • 低強度のトレーニングをしたグループは、不安が改善する確率が3.62倍になった

  • 中強度または高強度のトレーニングを行ったグループは、不安が改善される確率は4.88倍になった

 

ってことで、低強度でも高強度でもメンタルは改善するんだけど、3.62対4.88っていう差で高強度なワークアウトのほうがメンタルには効くのではないか、と。確かに、個人的にも早歩きよりは心拍数が170を超えるレベルの有酸素運動のほうがスッキリする感覚がありますね。

 

 

もちろん、過去には「高強度といってもやりすぎるとメンタルが悪化するよー」って報告もありますんで、際限なく負荷を上げればいいってわけでもないんでしょうが、「不安とか心配をやわらげるために運動したいなー」と思った方は、とりあえずHIITなどから始めてみてはいかがかと思うわけです。

 

 

ちなみに、この研究では大うつ病などの問題にはフォーカスしてないんですが、いちおうMADRSっていううつ病評価尺度にも改善が見られてまして、そこらへんにも意味はあるのかもなーとか思いました(まぁ鬱病に悩んでいるかたが高負荷の運動をはじめるのは超ハードだとは思いますんで、その場合はせめて早歩きぐらいに取りかかってみるといい……かもってとこですね)。


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サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。