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だまされやすい人を判断するテストを作ったぞ!という研究の話

 

 

だまされやすい人を判断するテストを作ったぞ!」ってデータ(R)がいい感じだったのでメモ。

 

 

これはマッコーリー大学などの研究で、チームによれば「現代では詐欺がガンガンに起きてるのに、だまされやすい人について調べた調査ってほとんどないよねー」とのこと。「だまされやすい人」というと、つい「たんに批判的な思考ができない人でしょ?」と思いがちですけど、チームは以下のようなポイントを指摘しておられました。

 

  • だまされやすさは、疲れていたり、気が散っていたりといった状況的な要因では説明できない
  • だまされやすい人は、偽の申し出を見抜いたり、恋愛相手の興味を嗅ぎ分けたりといったスキルが低い可能性がある
  • だまされやすい人は、人の機嫌を取ろうとして必要のないものを買ってしまったり、相手に不要なことまで言ったりしがち

 

要するに、このチームは「だまされやすい人ってのは他人の信頼度を見抜く能力と、相手の言葉へ簡単になびかない能力に問題があるんじゃないの?」みたいに考えたわけですね。

 

 

ってことで、研究チームは、大学生と成人を対象に5つの研究を行いまして、12の項目からなる「だまされやすさテスト」を作成。その精度の検証&改良を行いつつ、「自分がだまされやすい人間かどうか?」を判断できる尺度にしあげてくれております。

 

 

テストを行う際は、以下の文章についてそれぞれ「1点(まったく当てはまらない)〜7点(完全に当てはまる)で評価してくださいませ。

 

  1. 誰かが私をだまそうとしても対処するのが得意だ。★

  2. 誰かが私をだまそうとしても、たいていすぐに気づくことができる。★

  3. 誰かが私をだまそうとしていても、対処するのがかなり苦手だ。

  4. 誰かが私からかっているときにはすぐに気づく。★

  5. 誰かが私をだまそうとしているときは、たいていそれに気づくのに時間がかかる。

  6. 誰かが私を操ろうとしているときに、そのサインを読み取るのが得意ではない。

  7. 家族は私のことを詐欺師の格好の標的だと思っている。

  8. 詐欺に引っかかりそうな人がいるとすれば、それは私のことだ。

  9. 友人は私が簡単にだまされると思っている。

  10. 全体的に私はかなり他人に操られやすい。

  11. 人は私のことを少しだまさやすい人間だと思っている。

  12. 私は平均的な人よりだまされやすいと思う。

 

で、採点が終わったら、★マークがついた質問の点数を逆にしてください(1点→7点、2点→6点、3点→5点……みたいな感じで)。そのうえで、以下のように判断します。

 

  • 信用への鈍感さ:1〜6問目の合計で判断。この数字が高い人ほど、相手が信用すべき人間かどうかってとこを気にしない傾向がある。

  • 説得されやすさ: 7〜12問目の合計で判断。この数字が高い人ほど、相手の説得にすぐ応じてしまいやすい傾向がある。

 

ちなみに、この研究における参加者の平均的なスコアは、「説得されやすさ」が16〜17点で、「信用への鈍感さ」が18〜19点だったそうな。この2つの尺度が22〜23点以上だった人は、もうちょいだまされてないかどうか警戒したほうがいいかもしれないっすね。

 

 

さらに余談ですが、この研究チームがテストの精度確認の際に行った作業を見てみますと、こんな傾向が確認されてたりもします。

 

  • だまされやすい人は社会的知性が低い!

 

って傾向も認められたんだそうな。社会的知性ってのは、他人の視点に立ったり、相手の思考や感情を読み取る能力のことで、コミュ力にも強く関わる能力であります。ひらたくいえば、だまされやすい人ってのは、自分自身を知り、他人を知る能力が低いかもしれないわけっすね。

 

 

まー、あくまで英語圏で行われたテストなので、これが日本語でもどこまで対応できるかは心もとないんですけど、とりあえず社会的知性とだまされやすさの関係は「ありそうだよなー」とか思うわけです。これは難しい問題ながら、少しでも「自分はだまされやすい……」と感じている人は、なんらかの意思決定を行う前に「なんかおかしいとこないすか?」と自問してみるだけでも難を避けやすくなるはずであります。どうぞよしなにー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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