寝る前にプロテインを飲んだほうが筋肉量と筋力がアップしやすくなる……かもだぞ！
プロテインはいつ飲むべきか？ってテーマは昔からありまして、「１日のうちどのタイミングでプロテインを飲んでも変わりはない」みたいな話が優勢だったりしたわけです。
なので、私も別にトレーニング後に限らず好きなタイミングで飲んでたんですけど、マストリヒト大学などのレビュー(R)では、
- 寝る前にプロテインを飲むと、筋肉量と筋力がアップしやすいぞ！
って結論になっておりました。ムムム！って感じですね。
この研究は、過去に行われた45件の研究をもとに、「筋肉を確実に成長させるにはどうすればいいの？」って問題を検討したもの。1日のタンパク質の摂取量を増やすだけで十分なのか？ それとも、適切なタイミングを狙えばさらに大きな効果を得られるのか？って話ですね。
で、まずは簡単に結論をまとめておくと、こんな感じになります。
- 筋トレを行った日と休憩日の寝る前に、約30gのタンパク質を含むカゼインシェイクを飲んだ人は、およそ12週間で、タンパク質を含まないプラセボシェイクを飲んだ人よりも筋力と筋肉量が増加した（約2kg）
寝る前にカゼインを飲みつつ筋トレを行うことで、なにも飲まなかったグループよりも筋肉と筋力があがったらしい。もちろん、この結果だけだと、「寝る前のプロテインと日中のプロテインの違い」はわからないんだけど、研究チームいわく、
私たちの研究に基づいて計算すると、睡眠前のタンパク質摂取と他の時間帯のタンパク質摂取に違いがあるかどうかを証明するには、膨大な数の参加者が必要です。
とのこと。まだまだ研究が必要ではあるものの、このレビューで取り上げられた研究を見てると、やはり寝る前のプロテインによって筋肉が増強される可能性はありそうっすね。
では、なんで寝る前のプロテインが良さそうなのかと言いますと、グルコースと違って、血中のアミノ酸は濃度を一定に保てないからであります。そのため、眠っている間は食事が体内に入ってこないため、筋肉にタンパク質が行き渡らず、タンパク質の合成も行われなくなっちゃうんですな。そこで、ホエイより消化吸収が遅いカゼインを寝る前に摂取することで、筋肉を成長させるための燃料を得ることができるのではないか、と。
さらに研究チームいわく、
500人以上のアスリートを対象にした調査では、3回の主食で体重1kgあたり1.2g以上のタンパク質を摂取しているのに、夜の軽食では7gのタンパク質しか摂取していないことが判明した。その結果、一晩の睡眠中に筋肉の成長に利用できるアミノ酸のレベルが低くなる。
とのこと。確かに、寝る直前にプロテインを飲む人はあんまいないでしょうからね。
ちなみに、研究チームが指摘するポイントは他にもありまして、
- 睡眠前のプロテインシェイクを飲んでも、睡眠の質が下がることはないと考えられる
- だいたい寝る10～30分前に30gのプロテインを飲むとよいと思われる
といった指摘もされておりました。というと、寝る前にプロテインなんか飲んだら太るんじゃない？とか思いそうですが、研究チームによりますと、
睡眠前に摂取したすべてのタンパク質は、タンパク質の合成に使われる。その日の夜に早く運動が行われると、摂取されたタンパク質の大部分は筋タンパク質合成に向けられ貯蔵されない。 実際、若い成人で就寝前のプロテインシェイクを試した時、脂肪量の増加は観察されなかった。
って感じで、こちらもガッツリと否定されてました。まぁ全体的にはかなり参加者が少ないデータばっかりだし、カゼインシェイクに関する研究しか行われていないんで、ホエイプロテインでも同じような結果になるかは不明であります。そこはご注意ください。
個人的な雑感としては、睡眠前にプロテインを飲むべきかを判断できる決定的な証拠はまだないって印象ですけど、特に睡眠の質に影響しないなら試してみる価値はあるかもですね。私はいまはプチ断食が習慣化しちゃったので、よほど決定的なデータが出ないうちは試さないかもですが。
