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強いメンタルを作りたきゃ「勇気のマイクロドーズだ!」って本の話


  

危険は冒す価値がある(Worth the Risk)」って本を読みました。著者のクリステン・リー先生はノースイースタン大学の行動科学博士で、同時にコメディアンもやっているというおもしろい人。幸福感とレジリエンスに焦点を当てた研究を行ってまして、本書でも「いかに人生のリスクを取って成果を出すか?」みたいなことを提案しておられます。ビスワス=ディーナー先生の「勇気の科学」に近い立ち位置っすね。

 

 

ってことで、本書から個人的に参考になったところを見ていきます。

 

 

  • 人生にはリスクがつきもので、安全策を取っても人生の危険が減るとは限らない。リスクは確実に人生の糧となり、不快なことを心地よく感じられるようになることで、人間としての成長がうながされる。つまり、私たちは勇気を利用しないと、色彩豊かな人生を経験することができない。

 

 

  • 行動変容の科学が示しているのは、戦略的に少しずつリスクに身をさらし、それを自分の体験に統合していけば、前に進むための気力、勢い、勇気を養うことができる、という点である。

 

 

  • 「リスクを取る」というと、ガンガンに投資につぎ込んだり、ガンガンに起業したりといったことを意味すると考えやすい。しかし、このようなとらえかたをしてしまうと、私たちは本当に人生のリスクを取る気力を失ってしまう。そのような考え方を「不安の時代」や「個人の時代」と呼ばれる現代で抱いていると、私たちは「やる気を上げなくては!」や「生産性を維持しなくては!」「偉大にならなくては!」といったプレッシャーを常に感じ続けることとなり、「成長か?それとも引きこもりか?」の二択を迫られるように感じてしまう。

 

 

  • しかし、実際に必要なのは小さなリスクテイクの積み重ねである。多くの人は、「勇敢さ」を「偉大さ」と同じようにとらえている。ネルソン・マンデラやマザー・テレサのようなイメージである。しかし、科学の研究では、本当の勇敢さは「小さな勇気の積み重ね」で構成されることがわかっている。そのため、勇敢さを大げさに表現するのは害がある。

 

 

  • 「勇気」はすぐに身につくものではく、この特性を育てるには「勇気のマイクロドーズ」が必要となる。マイクロドーズは、定期的に少量ずつ摂取することで、「小さなリスクを取る → ダメージを回復させる」というくり返しにより、世界に自分のことを知らしめていく作業を意味する。

    チームを率いる、副業を始める、新たな勉強を始めるなど、少しずつ勇気をマイクロドーズしていくことでメンタルの回復力が高まりやすく、レジリエンスが構築されていく。「勇気」というのは、必ずしも偉業の中だけに現れるとは限らない。私たちは、小さな勇気を過小評価すべきではなく、小さな勇気の積み重ねが、成長と変化をもたらすと言える。

    「人生のリスク」は、自分にとって小さなものであれば、積極的に関わったほうが得るものが大きい。ただし、リスクの許容度は人それぞれなので、戦略的なマイクロドーズを行わねばならない。

 

 

  • 「勇気」を育てるためには、私たちは周囲をレスペクトする必要がある。というのも、レジリエンスは、人間に対する畏敬の念、尊敬、感謝へと移行した文脈で活性化する特性だからである。

    なかでも、人間に対する「畏敬の念」は重要で、私たちのメンタルを、古い慣習や恥、恐怖などから解放する働きがある。このような解放は、連帯、意識、コミュニティ、創造性によってもたらされることが多い。

 

 

ってことで、とにかく「勇気のマイクロドーズ」ってのが重要フレーズっすね。要は「コンフォートゾーンを出ろ!」に近い表現なんですが、「勇気のマイクロドーズ」と言われたほうが個人的にはやる気が出るかな。

 

 

でもって、本書では「具体的に勇気のマイクロドーズを行うためのツールキット」が各章の終わりについてるんですが、そこまで取り上げるとアレなので割愛。おそらく邦訳版が出るでしょうから、気になる方はそちらをお待ち下さい。

 

 

「いや!ワシはすぐに勇気をマイクロドーズしたいんや!」という方は、「PTSDの持続エクスポージャー療法ワークブック」や「セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック」あたりが非常に参考になりますんで、こちらをご参考あれ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。