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急な不安をマッハで抑える「333法」の話


「パニックと不安のコミュニティサポート」って団体が、「不安なときは333法だ!」って話を紹介してて良い感じでした(R)。

 

 

333の法は心理療法で使われるグラウンディングの一種で、急な不安に襲われたときなどに効く(と思われる)テクニックであります。その方法は簡単で、なんらかの不安に襲われたら、

 

  1.  目に見えるものを3つ挙げる
  2.  聞こえてくる音を3つ挙げる
  3. 身の回りにある3つの物体を動かすか触る(自分の手足でもOK)

 

って行動を実践すればOK。これだけで、不安やパニックが一気に落ち着くと言うんですな。

 

残念ながら、333法の有効性に関する正式な研究はないんですけど、グラウンディングの効果は有名なので、不安やパニックにお悩みの方は試す価値があるでしょう。もちろん不安を完全に取り除くことはできないでしょうが、その場その場で不安を管理するための有効なツールにはなるんじゃないかと。

 

 

で、もうちょい詳しいやり方を説明しておくと、以下のようになります。不安を感じたら、以下の3ステップでどーぞ。

 

  • ステップ1:目に見える3つのものに集中する:まずは、周囲を見回して、適当な物を3つピックアップします。iPhoneでもいいし、小銭でもいいし、樹木でもいいし、とにかく目で見えるものならなんでもOK。不安はとりあえず感じたままでいいので、選んだ3つのものをじっと見てみるのがポイントになります。「iPhoneの表面が汚れてるなー」とか「木の表面のシワがすごいなー」とか、そんな感じですね。

 

  • ステップ2:耳に入る3つの音に集中する:数秒ほど3つの物体を観察したら、次は意識を「音」に切り替えます。時計の音、隣席の会話、風の音など、好きな音をピックアップしてください。あとはステップ1と同じで、不安を感じつつも、選んだ3つの音を観察してください。「思ったより音が大きいな」とか「音の強弱がメロデイになってるな」とか、そんな感じです。

 

  • ステップ3:触れるもの、動かすものに集中する:最後に、あなたが触ったり動かしたりできる物体を3つ見つけてください。人形、スマホ、置き時計、自分の指、自分の足など、あなたの手が届く範囲にあるものなら、何を選んでも構いません。こちらも、あとはステップ1と同じで、不安を感じている自分を横目で見つつ、選んだ3つの物体を観察してください。「親指の第一関節は、他の指の関節よりも曲がりづらいな」とか「プラスチックって意外とやわらかいな」とか、そんな感じです。

 

くり返しになりますが、「333法」にはメンタルに効くかどうかを調べたデータがないので、もっと確実なものを求める方は認知行動療法などをお試しください。最近では「超簡単認知行動療法 ‐すぐに気分がよくなる6つのスキル-」がおすすめです。

 

 

とはいえ、333法の基本的な考え方はグラウンディングに沿ってますし、なにより短時間で簡単に覚えられて、さまざまな場面で活用できる手法なので、やってみても損はないでしょう。私もグラウンディングはよく使いますが、333法は手軽でよい手法だと思います。

 

 

たとえば、「初めての人と話すは緊張するなー」と思うなら、その場で室内の観葉植物を見たり、エアコンの音を聞いてみたり、ポケットの中の鍵を触ったりと、どんな状況でも視覚・聴覚・触覚の3つは必ず使えるはず。不安の万能薬ではないかもしれませんが、ツールキットのひとつとして覚えておくと吉でしょう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。