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今週末の小ネタ:勉強の効率を上げる方法、ベジタリアンでメンタル悪化、ナニと第一印象


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

   

 

 

 

勉強の効率を上げたきゃ【復習は別の場所】でやろう

効率がよい勉強には【驚き】が大事だ!」って話(R)が出てたので、軽くチェックしておきましょう。まず実験の内容を簡単にまとめると、以下のようになります。

 

  1. 26人の男女に果物、木、花などの自然物、またはコンピューターのマウスや電話などの人工物の写真を見せる。

  2. 写真を一定のパターンで記憶させる(「三角マークが出た後は自然物が出る」とか「四角マークが出た後は人工物が出る」とか)

  3. その後、予想外のパターンで写真が表示されたら、記憶力に変化が出るのかどうかを確かめる(「三角マークが出た後に人工物を出す」とか)

 

ちょっとややこしいですが、要するに「意外性があるもの」と「意外性がないもの」を比べた際に、どっちが記憶から取り出されやすくなるかを調べたわけです。

 

 

その結果はおおかたの予想どおりで、やはり意外性がある情報のほうが格段に「思い出す力」が高まったそうな。インパクトがある情報ほど頭に残りやすいのは当たり前ですもが、意外性がある情報は思い出す力も高めてくれるわけですね。

 

 

なんで、こういうことが起きるかと言いますと、だいたい以下のメカニズムになります。

 

  1. 驚きによって脳全体が活性化される

  2. アセチルコリンやドーパミンなどの神経伝達物質が出る

  3. 記憶の取り込みが促される

 

驚きによって脳が情報の取り込みモードに入り、そのせいで記憶が形成にしやすくなるみたいっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

学習前または学習中に期待が裏切られると、それが適応的なメカニズムを引き起こし、より記憶に定着しやすくなるのは有名な話だ。

 

今回の実験では、このメカニズムが、情報を取り出するときにも影響することを示した。

 

とのこと。脳スキャンの結果によると、意外な情報は海馬(記憶の貯蔵に欠かせないエリア)の活動を高め、ドーパミンを放出させ、後頭葉皮質の活動を高めたそうで、とにかく「驚き」は記憶に欠かせない要素みたいですね。

 

 

まー、そうは言っても、日々の勉強や仕事で意図的に「驚き」を発生させるのは難しいと思いますが、チームはこんなことも言ってます。

 

情報を取り出すことが目的である場合、カフェやその他の慣れない環境で復習を行うと、脳はこれを意外な出来事だと判断し、将来への記憶を強化するメカニズムが働くと考えられる。

 

いつもと違う場所で復習するだけでいいなら、これは楽でいいですねー。ちょっと試してみるか……。

 

 

 

ベジタリアンは肉を食べる人より2倍うつ病になりやすいかも?

野菜をたくさん食べるのが体によいのは間違いないものの、新しい研究(R)では、「ベジタリアンはうつ病のリスクが上がるかも?」って結論になっておりました。

 

 

こちらはブラジルの35歳から74歳までの男女14,216人を対象にした調査で、みんなの食生活とメンタルを調べ、これを運動、健康状態、6ヶ月前の栄養状態といった他の変数も調整したそうな。

 

 

すると、ベジタリアン人たちは、牛肉などを食べる人の2倍の頻度でうつ病の症状を経験していたとのこと。以前にも「肉を食べないとメンタルが悪化するのでは?」って話はありましたが、今回はだいぶ大きな違いが出ましたね。

 

 

ここまでベジタリアンに不利な結果が出たかは謎でして、この著者も「栄養素の不足ではこの現象を説明できない」と書いておられます。確かに、以前のメタ分析では「ベジタリアンのメンタル低下レベルは小さい」って結論だったので、なんか別の要因があるのかもですな(たんに自己申告のデータが信頼できないだけの可能性もありますが)。

 

 

ただし、一方では「肉を食べないと栄養不足でメンタルが低下する」と指摘する専門家も多いので、ここは頭に入れておきたいところです。肉に含まれる鉄分、ビタミンB、亜鉛などの栄養素は、脳の働きを助ける可能性がありますからねぇ。

 

 

その点でまだ結論は出しづらいものの、やっぱ「野菜だけ」にはこだわらないほうが良さそうだよーってことで。

 

 

 

アレの大きで第一印象が変わるかも?

アレのサイズで他人への印象が変わるぞ!」みたいな研究(R)が出ておりました。アレというのは、もちろん男性の下のアレというかナニのことです。

 

 

これは106人の男女(80%は女性)を対象にしたテストで、まずは全員に太さ、長さ、下の毛の量などが異なるナニの写真を見せたらしい(顔は見せない)。すごい実験ですね。

 

 

で、それぞれのナニの持ち主について、どんな印象を持ったかを想像してもらい、ナニと第一印象の関係を探ったんだそうな。よく「人の顔を見ると性格がなんとなくわかる」などと言いますが、この研究では、ナニの写真だけで性格を判断してもらったわけですね。

 

 

その結果、ナニと第一印象には、以下の相関が出ております。

 

  • 一般に、大きいナニほど外向性が高いと見なされ、小さい場合はその反対だとみなされた。

 

  • 細いナニは神経症的な印象を与え、太いナニは外向的で、新しい経験にオープンで、より夜の営みもうまいと判断された。長いナニも同じ印象だった。

 

  • 一方、平均的な大きさのナニは、すべてにおいてニュートラルな印象を与えた。

 

  • 短いナニは、長いナニとくらべて神経症的だと判斷された。また、ナニが長い人は、短い人に比べて、より魅力的で、より活発で、より外向的で、より真面目だとも判断された。

 

  • 下の毛については逆のルールが当てはまり、下の毛は少ない方が印象が良かった。下の毛を処理していない人は、内向的で不愉快な人間だとの強いシグナルを発している可能性がある。ただし、完全に剃ってしまった場合も、ネガティブな印象が増幅された。

 

ということで、全体的には長くて太くて毛量が少ないものほど、良い印象があるみたいっすね。まぁこれついては文化の差も大きそうなので、日本人に当てはまるかはわからんのですが、顔と同じぐらいナニも第一印象に関係してるのかもですな。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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