自分の成長をブーストさせる超シンプルな考え方とは?
2月1日の新刊「運の方程式」では、「運をつかむには自ら不快を選ぶ態度が必要!」みたいな話をしております。自分から不快なことをしたい人はいないでしょうが、嫌なことを避けてばかりいたら成長もないですからねぇ。
また、「不老長寿メソッド」でも同じような話を展開してまして、「あえて不快なことをしないと健康にならないよー」とも強調してたりします。こちらの本でも、人間ってのは「不快さ」によって身体機能が上がるというポイントを書いていて、要するにメンタルでもフィジカルでも「不快さ」が大事ってことですな。
で、そんな状況下、新しいデータ(R)では「積極的に不快を求めたほうがモチベーションが上がるんだぜ!」という内容になってておもしろかったです。文献のタイトルは「不快感を求めて自己成長を促す」って感じで、まことに興味深いですなぁ。
さて、これはコーネル大学などによる試験で、557人の参加者に「だるまさんがころんだ」のようなオリジナルゲームに参加してもらい、その際に、
- 参加者の半分には、「ぎこちなさや不快感を感じたら、その感情はゲームが上達している証拠です」と伝える
- 残り半分の参加者には、不快感については一切触れず、通常のゲームの指示を与える
といった感じで、全体を2つのグループにわけたんだそうな。すべてのゲームは動画で撮影され、みんながどれぐらい上達したかをチェックしたとのこと。
すると、2つのグループには明確な違いが見られまして、
- 不快感を追求するように言われた参加者は、より多くの時間を練習に費やし、より多くのリスクを取った(つまり、ゲーム中のモチベーションがより高かったと考えられる)
- また、不快感を追求するように言われた参加者ほど、ゲームの目標を達成する傾向が強かった
って感じだったらしい。不快な感情を求めたほうがモチベーションが上がり、それだけに上達スピードも速くなるみたいっすね。
さらに、この研究では、ほかにもいくつかのオンライン実験を行ってまして、こんな結果が得られてます。
- 参加者に「自分が感情的な問題を起こしたこと自由に書き出してください」と指示した実験(いわゆる筆記開示)では、「このエクササイズの目的は不快な気分になることで、不快な感情はエクササイズがうまくいっている証拠です」と言われた参加者は、そうでないグループと比較して、「将来もこのエクササイズをやります!」と答える傾向があった。
- 他の研究では、Covid-19、銃乱射、反対政党など、ネガティブな問題について書かれた記事を提示。その際、参加者の半分に「できるだけ不快になるようにしてください」と促したところ、これらの参加者は、不快感を求めなかった参加者と比べて、これらのトピックについて学ぶ意欲がより強くなった。
というわけで、全体として見ると、多くの人たちは「ネガティブな感情は成長のしるしだ!」と思うことで、実際にそのタスクへのモチベーションを高めることができるらしい。
研究チームいわく、
人はしばしば不快感を目標の追求をやめるサインと見なすが、実際には、不快感は前進を意味していることのほうが多い。そして、今回の実験では、私たちは不快感を利用することで、重要な目標を達成するための動機づけができることがわかった。
不快感を求めるように指導することで、たいていの人は、作業への粘り強さとリスク傾向が増し、より進歩し、より多くを学ぶことができる。
とのこと。どのようなスキルでも、練習の過程では必ず不快感が発生するものであり、この感情を「私はいま成長しているのだ!」ととらえることで、成長がもたらす苦痛に耐えることができるようになるんだーってことですね。実際、不快な感情ってのは、自分がスキルの向上を実感するよりもずっと前にやってくるので、このネガティブな感情を前向きにとらえるのは超大事でしょうな。
ってことで、皆さまも、なにかを学ぶプロセスで「嫌だ!やりたくない!」って気分になったら、「これは成長している証拠だ!」と自分に言い聞かせてみると、苦難を乗り越えるモチベーションになるんじゃないでしょうか。私も、ブログを書きながら毎日「やりたくない!」と思っているので、さっそく使ってみることにします(笑)。