今週半ばの小ネタ:セルフ・コントロールは何%が遺伝か、「良い情熱」か「悪い情熱」、ナルシスト男の特徴
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
セルフ・コントロールは何%が遺伝か?
人生をうまく生きるにはセルフコントロール能力が大事!という話をよく書いております。自分をコントロールできる人は健康だし、収入も多いし、幸福度も高いって報告が、昔から何度も出ているんですよね。
で、新たな論文(R)もセルフコントロール能力に関するもので、その内容を簡単に言えば、
- 自分をコントロールする能力はどこまで遺伝か?
みたいになります。ヒトのあらゆる特性には遺伝の影響があるわけですが、セルフコントロールの発達については、果たしてどこまでの関係があるのかって問題ですね。
これは、過去に行われた双子研究から31件をピックアップし、一卵性双生児15,892名,二卵性双生児17,384名のデータをまとめたもの。この手の研究としてはかなり大規模で、信頼性の高い結論を出してくれてるんじゃないでしょうか。
でもって、ここから大きな結論だけまとめると、
- セルフコントロール能力の遺伝率は約60%だった
みたいになります。多くの研究だと、人間の性格は50%ぐらいが遺伝と言われることが多いので、それよりはちょい高めな感じですね。つまり、残りの40%は環境の影響があるってことですな。
この数値をどう考えるかは難しいところなんだけど、個人的には、「遺伝の影響がどうこう考えずに、自分でやるべき改善を淡々とやるしかないよなー」ぐらいの印象に落ち着いております。
まぁここらへんの話は説明が長くなるので、いま書いてる「才能の本」に詳しくまとめる予定です。その詳細を知りたい方は、本が出るまでお待ちいただくとして、しばらくは、以下のエントリなどを参考にしていただけると幸いです。
あなたの情熱は「良い情熱」か「悪い情熱」か?
このブログでは「人生では情熱を追うな!」みたいなことを書いてますが、もちろん情熱を持つこと自体が悪いわけじゃございません。情熱を求めて頑張るのは良くないものの、情熱そのものはあったほうが人生は楽しいですからね。
でもって、ロバート・ヴァレラン博士らが行った調査(R)によると、
- 情熱は「良い情熱」と「悪い情熱」にわけられるから注意してね!
という結論になってておもしろかったです。ここで研究チームは、情熱を2つの種類にわけていて、
- 調和的情熱=自分が好きな活動に参加し、その活動をしている最中はもちろん、その活動を終えた後にも喜びを感じること。このタイプの情熱をもたらす活動に参加すると、より没頭して集中力が高まり、幸せを感じることができる。
- 執着的情熱=「その活動に参加したい!」という欲求が強すぎて、自分のコントロールを超えてしまうタイプの情熱。たとえば、「ゲームが好きすぎてやめられない!」という欲求が典型的で、自分がしていることを好きではいるものの、自分が活動をコントロールするのではなく、活動にコントロールされているような状態とも言える。このタイプの情熱に時間を捧げると、やがて集中力や幸福度の低下が起きる。
みたいになります。当然、私たちが追うべきは「調和的情熱」のほうですね。
こうなると自分の情熱タイプが気になるところですが、幸いにも研究チームが判断テストを開発してくれております。自分が情熱を傾けている活動を思い描きながら、各項目について、「1=全くそう思わない」から「7=完全にそう思う」までの7段階で答えてください。
- この活動によって、私はさまざまな経験をすることができる。
- この活動で得た新しい発見が、この活動の楽しみをさらに増してくれる。
- この活動によって、私は思い出に残る経験ができる。
- この活動は、自分自身の好ましい特性を反映している。
- この活動は、私の人生における他の活動と調和している。
- 私にとって、この情熱はコントロールできるものである。
- 私はこの活動に完全にのめり込んでいる。
- この活動なしでは生きていけない。
- この活動をせずにはいられないという衝動が強い。
- この活動がない生活を想像するのは難しい。
- この活動に感情的に依存していると思う。
- この活動をしたいという欲求を抑えるのが大変だ。
- この活動に対して、私は強迫観念に近い感情を持っている。
- この活動ができるかどうかで、私の気分が左右される。
採点が終わったら1〜7の質問の平均点と、8〜14の質問の平均点を出しましょう。1~7の平均があなたの「調和的情熱」スコアで、8~14の平均があなたの「執着的情熱」となります。自分の情熱を測る一助にお使いくださいー。
ナルシストな男性はアレが早い
「ナルシストな男夜が早い!」というデータ(R)が出ておりました。「夜が早い」ってのは、夜の早い時間に寝るって意味ではなく、夜のアノ行為で果てるまでが早いって意味です。
これは18歳〜35歳の男性1,287人を対象にした研究で、過去2年間の夜の行為に関する質問に答えてもらったとのこと。これに加えて、みんなの性格もチェックしたところ、以下のような結果が認められたそうな。
ナルシストの男性は、自分だけの快楽のためにモチベーションを高め、親密な人間関係を求めない。
その結果、相手との関係の初期には果てるのが早くなり、関係が長引くにつれて新鮮味が薄れて、果てるまでの時間が遅くなる。
ってことで、ナルシストは自分のことしか考えないため、出会ったうちはすぐに出ちゃうし、しばらくして飽きがきたら出るのが遅くなるという、まことに身勝手な結論でありました。
ちなみに、このデータでは、「ナルシストは自分に夢中なので、パートナーとの関係よりも自分磨きを好む傾向もある」そうです。うーん、なるほど。