2500人の調査で「年収を左右する要素」のトップ8がわかったかもしれない件
年収を左右する要素のトップ8とは?
「見た目がいい人は金持ち!」とか「性格がいい人は金持ち!」とか、いろんなデータがあるわけですが、また新たに「年収を左右するトップ8を調べたぞ!」っておもしろいデータ(1)が出てたんでメモ。
これはテンプル大学の研究で、2,564人の男女に2つの選択肢をあたえております。
- 500ドルをいますぐもらう
- 1000ドルを1年後にもらう
ってことで、行動経済学の世界ではおなじみの「目の前の欲望を遅らせる能力があるかどうか?」をチェックしたわけですね。いわゆる「遅延割引」ってやつです。
でもって、この研究の”ウリ"は機械学習を使ってるとこ。たとえば、これまでの研究でも「遅延割引」や「性別」なんかが収入と関係があるのはわかってたんですけど、「どっちのほう稼ぎへの影響力が強いの?」ってとこまではよくわかんなかったんですよ。
ところが、機械学習を使うと従来よりたくさんの変数をあつかえたり、非線形の要素も取り込めたりできるんで、より正しい影響度が見れるんじゃないか?と思われるわけですな。いままでになかった取り組みでよろしいですねー。
年収を左右する要素トップ8
さて、その結果、「収入を予想できるポイント」のランキングは以下のようになりました。
- 職業
- 教育
- 住んでいる場所
- 性別
- 遅延割引
- 人種
- 身長
- 年齢
ってことで、まぁ1位が「職業」なのは当たり前で、良い仕事についてりゃ年収も高いでしょう。同じく教育レベルが高ければ良い職業につくケースも多いですし、良い仕事は特定のエリアに集中してるんで、「住む場所」が大事なのも納得でしょう。
残りの要素としては、性別、人種、年齢あたりは差別問題がからんでそうな感じ。また、高身長な人ほど収入が高い理由については、以下のように推測されております。
身長が高いと自尊心が高まり、主観的にも客観的にも仕事のパフォーマンスが上がるのかもしれない。そのせいでキャリアも成功し、給与に反映されるのだろう。
ここらへんは低身長な私としては涙目ですが、いたしかたないですな(笑)
「遅延割引」は人生のネガティブを避けるのがメインの能力なのかも
でもって、気になる「遅延割引」は5位にランクインしてますね。昨今は「マシュマロテストが間違ってたのでは?」みたいな話もありますけど、教育や住む場所より下位に入ってるのを見ると、「目先の欲望をガマンする能力は、やっぱ”それなりに"大事なんだろうなー」と思うわけです。
研究者いわく、
目の前の喜びを遅らせる能力の低さは、人生の好ましくない選択と相関していた。
とのこと。遅延割引率が大きい人ほどアルコールやドラッグにハマりやすく、ギャンブルに依存しやすく、知性も低い傾向があったそうな。
遅延割引の大きさは、良い教育などから自分を遠ざけるような悪い行動の連鎖を生み、稼げる職業につくのを妨げてしまうのだろう。
ってことで、目先の欲望をガマンする能力っては、人生をポジティブに向かわせる推進力というよりは、人生のネガティブを避ける方向で働くのではないか?ってことですな。そう考えると、やはりマシュマロテストは有効だったような気もするわけですが。
いずれにせよ、いまさら身長や教育レベルは変えられないんで、とりあえず後からでもコントロールできそうな「遅延割引」小さくするように心がけとくのがよさげですねー。気をつけよう……。