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「敏感すぎる人たち」が持つすごい才能はこれだ!みたいな話

 

 

センシティブ」って本を読みました。著者のジェン・グラネマンさんとアンドレ・ソロさんは存じ上げませんでしたが、なんでも「IntrovertDear.com」という内向的な人に向けた世界最大のオンラインコミュニティの創設者らしい。そんなコミュニティがあったのか……。

 

 

で、本書は「繊細さん」系の内容で、感覚が敏感な人たちが持つメリットを教えてくれる感じになってます。このブログでいうと、

 

 

などに近い話ですね。似たような本はいくつかありますけど、「敏感で繊細な人間は有利なのだ!」ってあたりが掘り下げられていて、自分の敏感さにお悩みの方には、大いに参考になるんではないかと。

 

 

ということで、個人的に勉強になったポイントをまとめておきましょうー。

 

 

  • 「繊細」と聞くと、物事に過剰に反応する弱い人というイメージがあるが、実際の定義としては「世界の情報をより深く処理する人」と表現したほうが近い。敏感な人たちの脳は、深い情報処理が得意なので、まわりが見落としていることに気づくのもうまい。

 

 

  • 世界の情報にはいろいろな種類があるが、なかでも重要なのは感情的な情報である。敏感な人は、他人が浮かべる微妙な表情に気づくことができ、そのために敏感な人ほど共感力が高い。そのせいで相手の感情に飲み込まれて疲れ切ってしまうケースも少なくないが。

 

 

  • 敏感な人の割合は全体の約30%と考えられ、その数は男女、性別に関係なく変わらない。原始時代では、敏感な人がいない集団は絶滅してしまったと考えられるため、進化の過程で敏感さの特性が残ったのだと推測される。

 

 

  • そのため、もしあなたが深く考える傾向があり、物事を何度も考え直すのに多大な時間を費やしているのなら、あなたは自分が思っている以上に敏感人間なのかもしれない。その場合、あなたは他の人が見ていないものを見ている可能性があるので、自分の「考えすぎ」や「直感」を否定してはいけない。

 

 

  • 敏感な人のメリットとしては、第一に「敏感ブースト効果」と呼ばれるものがある。敏感ブースト効果とは、敏感な人ほどポジティブな介入が効きやすい現象のこと。たとえば、どんな子供でも家庭環境が良いときほど成績は高くなるが、研究によると、敏感な子供が良い家庭環境に恵まれた場合は、クラスのトップに立つことが多くなることがわかっている。

    うつ病の患者を対象にしたテストでも、敏感な人ほどセラピープログラムの効果が大きく、実際にうつ病を克服するケースが増える。また、離婚の危機に瀕した数百組のカップルを対象にした調査でも、やはり敏感な人ほど、人間関係のスキルを教えるプログラムの効果が高く、結婚生活を維持しやすかった。

 

 

  • そのため、敏感な人ほど、このブースト効果を利用すべきである。それは、良いメンターを見つけたり、コミュニティに入ったり、セラピーを受けたり、自分を信じてくれる友人を見つけたりと、自分にポジティブな影響を与えてくれるものならなんでもいい。敏感な人は、こういった介入から10倍以上の恩恵を得られる可能性がある。

 

 

  • その他、敏感人間が持つメリットには、以下のようなものがある。

    ・共感性が高い:敏感な人は共感力が高く、その差は脳スキャンでも確認できる。敏感な人は、そうでない人よりも「他人を思いやる」傾向がある。

    ・創造性が高い: 敏感な人は、より詳細に気づき、より多くの情報を関係づけし、それによって創造的な連想が生まれやすい。

    ・感覚的知性が高い: 感覚的知性とは、環境からより多くの情報を取り込み、その情報にもとづいて適切な判断を下す能力を意味する。敏感な人はこの能力が高く、たとえば、敏感なアスリートは、周囲の状況を察知し、それを素早く処理することで知的なプレーをする傾向がある。

    ・処理が深い:敏感な人は、より多くの情報を取り込むだけでなく、より深く処理する。そのため、他の人には見えないパターンがよく見え、「点と点を結ぶ」のがうまい。

    ・感情が深い: 敏感な人は感情の深さがあるため、聞き上手であり、人から自然に信頼され、頼りになる相談相手とみなされることが多い。

 

 

  • 以上のメリットをふまえ、敏感な人がうまくやっていくには、穏やかで静かな環境が第一となる。自分自身でコントロールし、その環境を整えられると、過剰な刺激が少なくなる。

    そのための最良の方法の1つは、スケジュールにスペースを設けること。毎日、自分の部屋に静かに座り、心を解放する時間を設けるのがマスト。ここで大事なのは、脳が処理しきれていない情報をやりくりする時間を作ることで、これによって過剰な刺激を防ぐことができるだけでなく、問題の解決策を思いついたり、正しい対策を見つける可能性が高まる。

 

 

  • 敏感な人の多くは、「何かが間違っている……」「もっと元気にならねば…」といった思いにつきまとわれながら暮らしているケースが多い。しかし、敏感さは脳が持った特徴なので、それを抑え込もうとするのは無駄だし、自分の才能を断ち切ってしまうことになりかねない。

    そのため、上記のメリットを活かすためには、まずは自分の敏感さを受け入れるのが第一の要点となる。そのうえで、敏感さの持つメリットを使って世の中に貢献することを考えるのがよい。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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