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繊細すぎて困る!「HSP人間」が持つ4つの重要な「強み」

 

 

以前もHSPな人たちのメリットみたいな話をしましたが、新しいデータ(R)もそんな話です。

 

 

ざっくりおさらいすると、HSPってのはいわゆる敏感な脳の持ち主で、自分の内面や周りの人の気持ちや行動にめちゃくちゃ敏感。そのせいで、自分の内面にわきあがった思考と感覚をかき消すのに精一杯になってしまい、ストレスが激増したりするわけです。それでどんな現象が起きるかと言えば、

 

  • スピーディな対応ができなくなってしまう
  • 誰かに答えなければならないときに、自分の口から出そうとしている言葉の意味をすべて考えて、頭の中が真っ白になる
  • 自分の言ったことが相手に伝わるかどうかの不安と心配でいっぱいになる
  • 気温の変化が大きい場所や騒音がうるさい場所などでは、注意をそらすことが難しくなり、ひとつの思考をキープできなくなる

 

みたいな感じです。よく言えば感受性が豊かなんだけど、そのせいで膨大な情報に圧倒されちゃうわけですな。これは心当たりがある人が多いんじゃないでしょうか。ちなみに、私は自分がHSPっぽいとこもありつつ(プレッシャーで頭の中が真っ白になるとことか)、当てはまらないとこも多いので(ホラー映画好きとか)、いまは「たんに対人不安なだけかな……」とか判断しております。

 

 

で、新しいデータはライデン大学によるもので、著者チームはこんな指摘をしておられます。

 

HSPの人たちは、感覚的な(外部だけでなく内部の)刺激に気づき、より内省的になり、これらの刺激をより深く処理することで、(潜在的に)。感情や生理的反応性が高くなると推測される。

これまでの研究では、このような反応性の高まりは、精神病理学または精神衛生上の問題のみと関連するものであった。

 

HSPの敏感さは、おもに悪い側面ばかりがとりざたされてきたので、もうちょいHSPの概念をさらに掘り下げねばならんのではないかって話であります。

 

 

というわけで、研究チームは、過去のHSP研究で使われた診断テストなどから、HSPの特徴を60項目ほど抜き出して質問票を作成。これを10,300人近い参加者(平均42歳)に試し、さらにはパーソナリティの測定に加えて、みんなの健康やメンタルの状態を評価したんだそうな。

 

 

でもって、その結果を分析したうえで、チームは「これがHSPの特性だ!」と言えるものを6つの基本パターンに分類したんだそうな。その基本パターンは、以下のようになります。

 

 

  • 特性1. 感情的・生理的反応が激しい:短時間に多くのことをしなければならないときにすぐに焦ってしまったり、一度に多くのことが起こると緊張したり、ストレスのかかる状況になるとすぐに動揺してしまう、など。

 

  • 特性2. 感覚的不快感が強い:耳障りな音が気になったり、まぶしすぎる光によく悩まされたり、大音量の音楽が苦手だったりする、など。

 

  • 特性3. 社会的・感情的な敏感さが激しい:相手が笑顔で自分の気持ちを隠しているのがわかったり、相手の声のトーンと言葉のトーンが一致しないときにすぐに気づいたり、怖がっていないふりをしている人にすぐに気づいたり、など。

 

  • 特性4. 内外の微妙な刺激に対する感覚が敏感さ:体温など体の変化にすぐ気がついたり、口や喉が乾くとすぐに察知できたり、お腹が空いたと感じたらすぐに分かったり、など。

 

  • 特性5. 感覚的な心地よさや楽しさへの敏感さ:ユーモアや笑いのある状況を楽しむことができたり、リラックスした活動を心から楽しむことができたり、好きな人と一緒にいると心から楽しい気分になれたり、など。

 

  • 特性6. 美的感覚の鋭敏さが強い:美しい芸術作品に感動するのがうまかったり、音楽を聴くときに微妙な音色の変化に気づけたり、絵画や写真に感動することがよくあったり、など。

 

 

ご覧いただければおわかりのように、ここにはHSPのポジティブな側面とネガティブな側面がはっきりと示されてまして、今回の調査ではこんな結果が出ております。

 

  • 神経症と相関があるのは最初の2つの特性だけで、残りの4特性は「経験に対する開放性」と相関があった

 

つまり、HSPな人は好奇心が強くてオープンであるって強みを持ってるってことすですね。個人的には、現代における最強ソフトスキルのひとつだと思ってまして、その点ではHSPも使いようだよなーとかあらためて思いました。

 

 

こういったHSPのメリットについて、研究チームは「環境体験のポジティブな特徴から不釣り合いに恩恵を受ける傾向」と定義してまして、ちょっとおもしろかったです。環境から不要にネガティブな影響を受けちゃうかわりに、不釣り合いなレベルでポジティブな影響も受けることができるわけっすな。

 

 

こうして見ると、「実はHSPってメリットのほうが多くないか?」という気すらするわけでして、ネガティブな影響さえ意識して対策できていれば、意外と人生を楽しむに向いた特性なのかもしれんですね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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