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有酸素運動の効率を上げる【超基本的】な考え方



 

こんなご質問をいただきました。

 

この前、「HIITを毎日やってはいけない」という記事を読んで絶望した者です。毎日HIITをやってましたが、これはやってるつもりになってただけだったのですね。私のいままでのHIITはむだだったのでしょうか……。というよりも、HIITみたいな運動は気持ちがいいので毎日やりたいのですが……。

 

とのこと。ついこないだ、「HIITは毎日やるもんじゃないです! 週に2回もやれば充分!」って話を書いたんですが、毎日やったらHIITのメリットはどうなるのか、という。ちなみに「そもそもHIITってなに?」という方は、「「HIIT」の素晴らしさをいろいろと並べてみる」をご覧ください。

 

さて、このご質問についてですが、結論から言えば、

 

  • 毎日やりたいなら、普通に負荷を落としてインターバルトレーニングをやればいいのでは?
  • 別にHIITにこだわらなくても、インターバルトレーニングなら普通にメリットは得られますんで

 

みたいになるでしょうね。インターバルトレーニングの定義はシンプルで、短い時間(30秒程度)の激しい運動と、長い時間(1~2分程度)の弱い運動を交互に行うことです。

 

 

で、インターバルトレーニングにはいろんな種類がありまして、

 

  • 普通に歩くのと、早めに歩くのをくり返す
  • 最大心拍数の85%以下の運動と、短い休憩をくり返す

 

みたいになります。とにかくどんな強さでもいいから、ゆるい運動とキツい運動をくり返すのがインターバルトレーニングで、どんなレベルで行うかは実践する人のサジ加減っすね。

 

 

でもって、どの負荷を採用しようが、インターバルトレーニングにはちゃんと効果が認められてまして、たとえば遅いウォーキングと素早いウォーキングを交互に行う「インターバル速歩」ぐらいの低負荷でもメリットが報告されてるんですよね。

 

 

その意味では、どの負荷を使うかは個人の体力次第ってことになります。具体的には、体力に自信のない人は「インターバル速歩」をすればいいし、もうちょい体力があるなら普段のウォーキングにジョギングを取り入れればいいしって感じですね。HIITまで高負荷な運動だと毎日やるのは無理でしょうが、それ以下の負荷であれば、どの程度ペースを上げるか、どの程度の頻度で、どの程度の時間行うかは、すべてあなた次第なんですよ。

 

 

まぁ、しかし急にそう言われても指針がなくて困っちゃうかもしれないので、いくつかインターバルトレーニングの事例をあげておきます。

 

  • 運動の時間が1時間ぐらいある場合:公園やトレッドミルで、「インターバル速歩」をやってみる。速歩きのスピードは最低でも時速5〜7キロぐらいを目指し、速度は一定に保つ。普通のウォーキングは時速4キロぐらい。トレッドミルの場合は、2%の傾斜を使うと屋外の地形をシミュレートできるのでおすすめ。

 

  • 運動の時間が15分から30分ぐらいある場合:有酸素性インターバルトレーニング(AIT)をやってみる。これは、中強度から高強度の運動の運動と軽い運動を交互に行うもので、運動は最大心拍数の85%以下で維持する。休息の運動では、心拍数が100~110bpmに下がるレベルを目指す。

    ランニング、ウォーキング、サイクリング、エリプティカル・トレーナーなど、どんな有酸素運動を使ってもOKだが、初心者の場合は、強度の高い運動を短め(1~2分間ぐらい)に、軽い運動を長め(2~5分ぐらい)にするのがおすすめ。余裕があるなら、強度の高い運動を10分程度にし、軽い運動を2分程度してもOK。

 

って感じで、あとは自分の体力に応じて負荷を変えたり、運動の時間を変えてみてくださいませ。別にHIITにこだわらなくても、これで十分に運動としての意味はありますんで。もし「毎日運動をしたい!」ってのが希望なら、上記のインターバルトレーニングを使えばちゃんと気持ちよさも得られるし、これでいいんじゃないでしょうか(というか、「HIITを毎日やってた」とおっしゃってる時点で、実際には「インターバルトレーニングを毎日やってた」になってたんだと思いますが)。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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