今週末の小ネタ:非モテの条件トップ11、フロー状態でパフォーマンスは上がるか? 性的なメッセージをスマホで送り合うのは良いことか悪いことか
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
非モテの条件トップ11
当ブログでは「モテる人の特徴」みたいな話をよく取り上げてるんですが、最近の研究(R)では「非モテの条件トップ11」を調べてくれてて参考になりました。
これはニコシア大学などの研究で、ギリシャ語を話す212人の男女を対象に、「付き合いたくない人の特徴」について調べております。具体的には、すべての参加者に「自分が興味のある相手からアプローチを受けているところを想像してね!」と指示し、どんな行動や特徴が嫌なのかを書き出してもらったらしい。
そのうえで、すべての回答をまとめて69の項目からなる「非モテの特徴リスト」を作成。これを734人の被験者に評価してもらって主成分分析を行ったところ、嫌われやすい人の行動&特徴トップ11はこうなりました。
- 不衛生(例:歯が汚い、口臭がひどい)
- 興味の欠如(例:退屈そう、他の男性/女性を見ている)
- 卑屈な態度(例:自分の容姿についてぬるいコメントをする、無作法な行動をする)
- 下品な言葉遣い
- 容姿が悪い
- 過剰に親密さをアピールする
- 知性が感じられない
- ナルシスト
- ユーモアがなく自尊心が低い
- ケチ
- 意見が違う
ってことで、あくまでギリシャの研究ですけど、「日本でも当てはまるでしょうな!」みたいなランキングになってますね。ちなみに、このランキングには性差が見られまして、全体的には女性のほうが上記のような特徴に敏感に反応する傾向があったらしい。これも納得の結果ですね。
研究チームいわく、
卑屈なセリフや性差別的なコメント、下品な言葉づかいを避けるなど、自分のアプローチを改善すれば、より効果的に相手を口説けるようになる。
多くの人(おそらく2人に1人)は、相手を口説くことの困難に直面していることが研究で示されている。相手を口説く歳に何が問題なのかを理解すれば改善もしやすいだろう。
とのこと。確かに、不衛生とか下品な言葉づかいなどは意識すれば治せるポイントなんで、「モテるためにはどうすればいいか?」を考えるよりも、まずは「非モテ要素をつぶすにはどうすればいいか?」を考えたほうが結果につながりやすそうですよね。
フロー状態で運動とゲームのパフォーマンスは上がるか?
ここんとこ、ブロマガのほうで「フロー状態に入る方法」をまとめてるんですが、関連して「フローに入るとパフォーマンスはあがるのか?」を調べたメタ分析(R)が出ておりました。フローってのは「時間を忘れて作業にのめり込んでしまう!」ような極度の集中状態を意味してまして、スポーツの世界ではゾーンなどとも呼ばれてますな。
これはエクセター大学などの研究で、フローに関する22件のデータをまとめたもの。だいたいの研究では、「フロー状態とスポーツ(マラソン、サッカー、バスケなど)の関係」と「フロー状態とゲームのパフォーマンス」について取り扱っております。
でもって、まずは結論から言ってしまうと、
- フロー状態により、スポーツのパフォーマンスは効果量0.32ほど向上する
- フロー状態により、ゲームのパフォーマンスは効果量0.30ほど向上する
だったそうな。こうして見ると、フロー状態に入ってもそんなパフォーマンスは上がってない感じがしますね。まぁここで扱った試験はマラソンランナーが中心なので、試験とか仕事のパフォーマンスで調べたらもうちょい違う数字が出そうな気も。
個人的にはゲームのパフォーマンスが0.3ってのはやや意外で、「ほんの小さな効果量なんだなぁ」って感想でした。あくまでイメージですけど、ゲームってフロー状態と相性がよい気がしてたもんで。
ともあれ、フロー状態がメンタルに良いのは間違いないし、パフォーマンスへの影響も間違いないレベルではあるようなので、やはり追求する価値があるとは申せましょう。
性的な動画とメッセージをスマホで送り合うのは良いことか悪いことか
セクスティングはメンタルに良いか悪いか?を調べたレビュー(R)が出ておりました。セクスティングってのは性的な画像やメッセージをスマホで送り合うような行為を意味してまして、若者のあいだではわりと普通に行われている現象なんだそうな。私が若いころはスマホなんてなかったんで、「若い人はすごいなぁ……」というオッサン臭い感想しか出ないわけですが。
で、このレビューには、2012年から2021年の間に発表された54件の研究のデータが含まれてまして、セクスティングは若者のメンタルにとってメリットがあるのかないのか?を調べてくれたんですよ。
細かいとこははぶいて、結論だけまとめてみると、こんな感じになります。
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セクスティングはトラウマや暴力と相関があり、エロメッセを送る量が多い若者は、精神的な被害を受ける可能性が3倍高く、デート関係での暴力も経験する可能性が高い。
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ある研究では、性的な画像や動画を送ったことのある青少年は、ネットいじめを経験する可能性が5倍も高いと報告されている。他の研究でも、セクスティングとネットいじめの間に有意な関係を報告している。
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セクスティングをする青少年は、うつ病や不安症を経験する可能性が高いが、このような現象は、互いに合意がない状態で性的な画像を送り合うのが原因かもしれない。
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合意があるかどうかはめちゃくちゃ重要で(当たり前ですが)、合意がない場合は、気分の落ち込み、悲しみ、動揺、攻撃性が起きる可能性が高くなる。なかでも、誰かに性的な画像を送るように頼むることは攻撃的な感情との相関が大きかった。
- ただし、セクスティングにはポジティブな要素もあり、いくつかの研究では、合意がある場合は、嬉しさ、驚き、面白さなどの感情を得られやすく、魅力、相互の喜び、尊敬、二人の関係への信頼などが上がる傾向も報告されている。
ってことで、本当に仲が良い相手と行うぶんにはメンタルの改善に役立つが、合意がない場合はメンタルの悪化につながるという、実にわかりやすい結果でしたね。