今週半ばの小ネタ:プロバイオティクスでメンタル改善、ヤバい性格の人はヤバい性格の相手と恋愛せよ、みんな年齢の節目で人生を変えようとしがち
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
14種類のプロバイオティクスでメンタル改善
「プロバイオティクス(腸内細菌のサプリ)でメンタルが改善する!」ってデータはいくつかあるものの、人間のメンタルがどこまで改善するかは謎が多いところ。まだ研究が少ないので、なんとも言えない段階なんですよね。
そこで新しく出たデータ(R)では、「腸内細菌のブレンドでメンタルが改善だ!」って結論になっておりました。
この研究は、大うつ病に悩む49人を対象にしたもので、そのうち半数には14種類のプロバイオティクスをブレンドしたサプリメントを与え、残りの半数にはプラセボを与えたそうな。抗うつ薬を服用している人にプロバイオティクスが効くかどうかを示した試験は少ないので、貴重な内容になってますね。
実験は8週間で、結果についてチームはこう言っておられます。
どちらのグループもメンタルが改善されたが、プロバイオティクスのサプリメントを摂取しているグループにより大きな効果が見られた。
プロバイオティクスを飲んだグループは、うつ病の評価テストにおいて、平均して重症度グレードが1段階低下した。不安症状もプロバイオティクスに特に強く反応した。
ってことで、プロバイオティクスを飲んだ人たちは、抑うつと不安の症状が減ったらしい。あくまで大うつ病の方が対象なので、「ちょっと不安だなー」ぐらいの人が飲むメリットがあるかは不明ですけど、なかなか期待が持てる結果ではないでしょうか。
ちなみに、この研究で使われたプロバイオティクスは、以下の14種類になります。
- 枯草菌
- ビフィドバクテリウム ビフィダム
- ビフィドバクテリウム・ブレーベ
- ビフィドバクテリウム ビフィダム
- ビフィドバクテリウム・ロングム
- ラクトバチルス アシドフィルス
- ラクトバチルス・デルブルエッキイ
- ラクトバチルス・カゼイ
- ラクトバチルス・プランタラム
- ラクトバチルス・ラムノサス
- ラクトバチルス・ヘルベティカス
- ラクトバチルス・サリバリウス
- ラクトコッカス・ラクティス
- ストレプトコッカス・サーモフィラス
ざっと見たところ、この14種類をブレンドしたサプリは市販されてないみたいなんですけど、基本はビフィズス菌と乳酸菌がメインなので、「California Gold Nutrition, LactoBif Probiotics」や「NOW Foods, Probiotic-10」などをお使いいただけると、近い効果を得られるかも……ぐらいの感じですね。
ヤバい性格の人は、ヤバい性格の相手と恋愛するといいよー
ダークトライアドといえば、人間が持つヤバい性質の総称であります。サイコパス、マキャベリズム、ナルシシズムという困ったパーソナリティを持つグループで、これらの特徴を持つ人は人生のさまざまな側面に悪影響を及ぼすことがわかってまして、特に恋愛関係がボロボロになりやすかったりします。まぁサイコパスやナルシストの恋愛がうまく行きそうにないのは、直感的にもわかりやすいでしょう。
で、新たな研究(R)もダークトライアドの恋愛について調べたもので、結論から言いますと、
- ダークトライアドは、ダークトライアドのパートナーを選ぶと、恋愛がうまく行きやすいぞ!
みたいになります。研究チームいわく、
通常、恋愛のカップルは、ビッグファイブなどの性格特性が類似していることが多い。そこで私たちは、ダークトライアドの特徴を持つカップルが、恋愛関係においても満足度が高いかどうかを確かめたいと考えた。
とのことで、一般に「性格が似たカップルは幸福度が高い」と言われるが、これはダークトライアドにも当てはまるのかをチェックしたわけですね。
これは205組の異性愛カップルを対象した研究で、交際期間が1年以上の男女だけを集めたらしい。調査では全員にアンケートを行い、自分自身とパートナーの性格を評価するように指示。さらに、いろんなテストでダークトライアドの特徴を評価し、これをみんなの関係の満足度を比べたところ、結果は以下のようになりました。
- サイコパスのカップル
- 男性が「相手の女性はサイコパスレベルが高いな……」と思っていると、男性側の恋愛の満足度は低かった。
- 女性のサイコパスは、自己申告かパートナーからの申告かに関わらず、男性の満足度の低下をもたらした。
- つまり、カップルのサイコパスレベルが異なるほど、相手との関係は満足できなくなる。
- マキャベリズムのカップル
- 自己申告かパートナーからの申告かに関わらず、マキャベリズムのレベルが高くなるほど、男女とも関係の満足度が低下した。
- 「自分の彼氏/彼女はマキャベリズム度が高いなー」と思った人は、カップルのどちらとも満足度の低下につながった。
- ナルシシズムのカップル
- ナルシシズムの異同が、カップルのどちらとも満足度の低下に関係していた。
- 一方で、ナルシシズムが高い女性とつきあうと、予想に反して女性の高い満足度と関連していたが、この効果はナルシシズムのレベルが高くなると弱まった。
ってことで、一部に例外はあるものの、全体としては、サイコパスとナルシシズム、マキャベリズムのレベルが合ってるカップルほどうまくいきやすいという傾向は見て取れましょう。
要するに、
- 自分にダークトライアドの要素がない場合は、サイコパス、マキャベリズム、ナルシシズムが高いとパートナー候補は徹底的に避ける。
- が、もし自分ダークトライアドの要素があるなら、同じぐらいダークな相手を選ぶほうが幸せになれそう。
って感じになるでしょうね。ちなみに、このデータでは、「女性のダークトライアドと付き合った男性は、男性のダークトライアドと付き合う女性よりダメージが大きい」といった傾向も出てまして、これも興味深いところです。
もちろん、この研究デザインだと因果関係の解釈はできないんですが、ダークトライアドとの付き合い方は、対人関係のクオリティを左右しますので、頭に入れておくとよいかもしれません。
みんな年齢の節目で人生を変えようとしがち
「29歳、39歳、49歳、59歳の人は、人生を大きく変えようとしがち!」みたいなデータ(R)が出ておりました。39歳のように、次の10代に向かう節目にさしかかった人は、それ以外の年齢に比べて、婚外恋愛を求めたり、マラソンをしはじめたりする傾向があるんだそうな。
これはUCLAなどの研究で、米国疾病予防管理センター、婚外恋愛サイト、アスリート情報サイトなどのデータを分析。年齢の節目を迎えた人に、どのような行動の変化が見られるかをチェックしたんだそうな。
その結果をざっくりまとめると、こんな感じになります。
- 多くの人は、年齢の節目となる誕生日を目前にすると、不倫しやすくなったり、マラソンをはじめたり、仕事を辞めたりする確率が増える。
- 29歳と39歳のランナーは、それ以前の年齢よりも平均で2%タイムが良く、よりハードなトレーニングを積んでいた。
ってことで、多くの人は、29歳や39歳を人生の節目と感じ、そのために何らかのアクションを起こしたくなるらしい。これはわかるなぁ。
研究チームいわく、
多くの人は、ある年齢から次の年齢に移るタイミングを、自分の人生のあり方を振り返るための目印、時間として使うのだろう。
とはいえ、もちろん30歳を迎えることと29歳や31歳を迎えることに本当の違いはない。私たちの文化は、30歳、40歳、50歳、60歳といった年齢を強調するが、それによって私たちの生き方が形作られてはならない。
とのこと。まぁ、年齢の節目を機会に人生を振り返るのが悪いとは思いませんけど、こういう心理があるってのは押さえておくといいかもですね。