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今週半ばの小ネタ:2週間で人生の満足度が上がる方法、筋肉を増やすには「回数を増やす」と「重さを増やす」のどっちが大事?筋力を増やすためのタンパク質摂取量


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 

  

2週間で人生の満足度がガッツリ上がるかもしれない方法

SNSに使う時間を1日30分だけ運動に割り当てると良いことだらけだ!という研究(R)が出ておりました。この効果はわずか2週間で現れ、少なくとも6ヶ月間持続するとのことで、手軽な割に効果が高くてよろしいのではないでしょうか。

 

 

これは約600人を対象とした研究で、全体を4つのグループに分けてます。

 

  1. 2週間、ソーシャルメディアの利用を1日30分減らす。

  2. 2週間、ソーシャルメディアの利用時間は変えずに、1日30分の運動を続ける。

  3. 2週間、ソーシャルメディアの利用を30分減らし、その代わりに1日30分の運動を取り入れる。

  4. 2週間、行動を変えない。

 

そのうえで、みんなの生活満足度、幸福感、うつ症状などを調べた結果、ソーシャルメディアの利用を減らして運動を増やした3番目のグループに、最も大きな改善効果が確認されたんだそうな(いちおう、1番目と2番目のグループにもメンタルの改善が見られてますが)。

 

 

また、この研究の参加者を6ヶ月後に再チェックしてみたところ、たいていの参加者は、ソーシャルメディアに費やす時間が少ないまま維持され、より多く運動している傾向があったんだそうな。実験が終わっても効果が続くってのはすばらしいですねー。

 

 

研究チームいわく、

 

この結果は、私たちがオンラインでの利用時間を減らし、人間のルーツに立ち返ることがいかに重要かを示している。SNSを減らし、その代わりに運動を増やすのは、自分の日常生活に簡単に導入でき、完全に無料で実践できる。それだけで、デジタル時代の幸せと健康を維持するのに役立つのだ。

 

とのこと。「スマートフォンの使用を1日1時間減らすとだけでもメンタルが幸福になるよー」とか「ソーシャルメディアを1週間だけ休むと、不安やうつの症状が改善するよー」みたいな報告は過去にもあったんですが、そこで空いた時間を運動に当てると、効果が倍増するわけっすね。

 

 

まぁソーシャルメディアがどこまでメンタルに悪いかってのは、まだ議論が残るところではありますが、著者も言うとおり手軽な方法なので、まずは2週間ほど試すのもよいのではないかと。

 

 

 

 

筋肉を増やすには「回数を増やす」と「重さを増やす」のどっちが大事?

このブログでは「筋肉を増やすにはボリュームが大事!」という話をよく書いております。ボリュームってのは「1回の筋トレでどれぐらいエクササイズをしたか?」を表す言葉でして、以下の式で簡単に出すことができます。

 

  • ボリューム=重量 x 回数 (レップ数) x セット数

 

基本的には、この数値を増やせば増やすほど筋肉も発達していく傾向がありまして、

 

  • 100kg x 10回 x 3セット= 3,000kg
  • 50kg x 20回 x 3セット= 3,000kg
  • 100kg x 5回 x 6セット= 3,000kg

 

みたいに、それぞれの変数を変えても最終的なボリュームが同じであれば、筋肉の成長はほぼ変わらないとお考えください。

 

 

で、新しく発表されたデータ(R)では、「重量と回数はどっちのほうが大事?」ってのを調べてくれてておもしろかったです。

 

 

これは38名の筋トレ好きを対象にしたテストで、実験の期間は8週間。みんなに足を中心としたエクササイズ(フリーウェイトのバックスクワット、レッグエクステンション、ストレートレッグカーフレイズ、シーテッドカーフレイズ)をしてもらい、このメニューを週2回ずつ行ったんだそうな。

 

 

でもって、その際に、全体を2つのグループにわけております。

 

  1. 重量を変えるグループ:1セット8~12回を維持しながら、少しずつウェイトの重さを増加させさせる。

  2. 回数を変えるグループ:最初の重量を維持しながら、1セットあたりの反復回数を増加させる。

 

って感じで、重量と回数のいずれかを変えるパターンの筋トレを行い、8週間の様子をチェックしたそうです。

 

 

その後、みんなの筋力、筋持久力、パワー、筋肉の増え方などを調べたところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • どちらのグループも、筋肉の成長に差はなかった
  • 3つの部位の大腿直筋の筋厚の合計に基づくと、「重量を変える」よりも「回数を変える」ほうが若干のメリットがあるかも?というぐらいの違いが出た。ただし、グループ間の差が非常に小さいことから、この結果に意味があるか、再現性があるかは不明。

 

ということで、もしかしたら回数を増やすほうが良いのかもですが、あくまで微妙な差でしかないので判断が難しい結果ですね。

 

 

まぁ、これを見る限り、重量と回数を変えた場合の筋肉の変化は同じぐらいだと考えて、両方を少しずつ増やしたほうがいいんだろうなーと思いましたが。

 

 

 

 

ちゃんと筋力を増やすには、どれぐらいのタンパク質を摂ればいいのか?

筋肉を増やすためにはタンパク質が必須で、だいたい体重1kgあたり1.3〜3.5gぐらいが必要とされております。

 

 

が、これはあくまで筋肉を増やしたいときの数字でして、筋力の発達に必要な量はまだイマイチわかってなかったりします。そこで新たに行われたメタ分析(R)では、「筋力アップに効くタンパク質の量はどれぐらい?」という疑問について調べてくれてて助かりました。

 

 

これは早稲田大学の宮地元彦先生らが行ったメタ分析で、筋力の改善とタンパク質の量を調べた過去の研究から82件をピックアップ。全部で3,940人分のデータをまとめて、大きな結論を出してくださってます。取り扱われている研究の質は全体的に悪くなくて、十分参考になる結論を出してくれているのではないでしょうか。

 

 

では、大きな結論から見ていきましょうー。

 

  • 筋トレをしないでタンパク質を増やしても筋力は増えない(これは当然でしょうな)

 

  • タンパク質摂取量が多いほど、筋力はより大きく向上する。具体的には、タンパク質の摂取量が1日に体重1kgあたり0.1g増加するごとに、筋力が0.72%増加する。

 

  • ただし、タンパク質の効果には天井があり、タンパク質の摂取量が1日体重1kgあたり約1.5gぐらいで効果は頭打ちになり、それ以上は意味がないかもしれない。

 

とのことで、どうやら体重1kgあたり約1.5gってのが、ひとつの目安になるらしい。筋肉量よりも筋力アップのほうが、頭打ちになる量が少ないんですねぇ。

 

 

個人的には、筋トレをする人の場合は1日に体重1kgあたり1.6gのタンパク質を推奨してますんで、とりあえずこれぐらい摂取しておけば、筋肉量も筋力もちゃんと発達してくれそうっすね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。