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謙虚さを武器にする方法論はこれだ!という本を読んだ話#2『会議で自己主張する方法」

 

 

声はデカくないが、賢いSmart, Not Loud)』って本のポイント紹介の続きでーす。これは、コミュニケーション研究で有名なジェシカ・チェンさんの著作をベースに、「物静かで控えめな人が現代の

競争社会を生き抜くにはどうすればいいのか?
」って問題を掘り下げております。

 

今回は、物静かな人が自分のキャリアブランドを作る方法と、物静かな人が会議で自己主張する方法を見てみましょうー。

 

 

  • もしあなたが今心から楽しく仕事をしているのなら、別に何も心配する必要はない。しかし、もし今の仕事が楽しめていない場合は、自分がどのプロジェクトを引き受けるべきかに注意し、自分のキャリアブランドを形成することを考えねばならない。そのためには、4つのステップを踏むのがおすすめである。


    • ステップ1.自分のコア・バリューを明確にする:まずは「自分は何に突き動かされているのか?」「私は何に意義と充実感を感じるのか?」といった質問の答えを明確にし、自分の中核となる価値観をはっきりさせる。

      このような価値観は、私たちの心の中で結晶化し、自分が「これは正確で明確で揺るぎないものだ!」と感じられるものでなければならない。価値観は自由に選べるようなものではなく、私たちの人生において、私たちが何者であるかをハッキリ定義するものだと言える。

      コアバリューの例
      ・他の人を指導し、誰かが成長するのを助けることに深い満足を感じるなら、「成長」と「サポート」というコアバリューを持っているかもしれない。
      ・戦略的思考や問題解決が得意なら、「革新」や「戦略的洞察」というコアバリューを持っているのかもしれない。
      ・チームの一体感を構築したり、社会的ニーズに応えるプロジェクトを主導するのが好きなら、「コミュニティ」のコアバリューを持っているのかもしれない。



    • ステップ2.自分の差別化要因を見つける:「自分にとって簡単で、やっていて楽しいことは何か?」の答えは、あなたにとっての差別化要因だと言える。このような差別化要因は、あなただけのものであり、誰にも奪うことができないからため、特別な能力として機能することが多い(ただし、個人的には、このポイントについてはかなり例外があると思う。ここらへんに興味がある方は「才能の地図」を参照)。

      差別化要因の例
      ・小さい頃から日記や物語を書くのが好きで、常に頭の中でストーリーを考えている=「文章を書くこと」が差別化要因かも
      ・新しい人と話すことや、人の話を聞くことが好きで、友人からは「聞き上手」と言われる=「人とのコミュニケーション」が差別化要因かも
      ・複雑な問題を整理して解決策を見つけることが得意で、特に友人や同僚から相談を受けることが多い=「問題解決」が差別化要因かも



    • ステップ3.差別化要因をチャンスにつなげる:チャンスとは、あなたの差別化要因をうまく使えるような仕事やプロジェクトを意味する。チャンスはすでに目の前にあることもあるが、自分の差別化要因を生かせつようなプロジェクトを立ち上げる必要がある場合もある。

      差別化要因をチャンスにつなげる例
      ・差別化要因:あなたが持っているデータ分析のスキル。
      ・チャンス:会社内での業務プロセスの効率化を進めるプロジェクトがあるが、どの部分を改善すべきか明確になっていない。
      ・行動:社内データを分析し、効率化が必要なプロセスを特定。具体的な改善案と予測される成果をプレゼンテーションで提案する。

      ・差別化要因:あなたが持っている複数言語のスキル。
      ・チャンス:会社が新しい国への市場拡大を検討しているが、現地の文化や言語について詳しいスタッフがいない。
      ・行動:あなたは自ら手を挙げ、現地市場調査や現地企業とのコミュニケーションを担当します。現地の消費者ニーズや文化的背景を調査し、報告書を作成して経営陣に提案する。



    • ステップ4.リーチを広げる:自分のキャリア・ブランドを作る作業は、フライホイールのようなものである。自分の名前を知らしめたいグループや、自分を能力をアピールしたいコミュニティを戦略的に選べば選ぶほど、あなたの能力は周囲に伝わりやすくなる。

      そのためには、あなたが楽しめるプロジェクトを行っているグループに積極的に参加し、活躍の場を広げていく必要がある。最終的に、キャリア・ブランドが一貫していれば、あなたがやりたいプロジェクトやイニシアチブに参加できる人材になれる確率は高まる。

      ・リーチを広げる例
      ・Aさんは、IT業界でプロジェクトマネージャーとして働いており、自分を「新しい技術を活用した革新的なプロジェクトをリードする人」として確立したいと考えていた。
      ・Aさんは、業界内で同様の興味を持つ人々とのネットワークを構築。定期的に業界のカンファレンスに参加し、SNSを活用して自分の専門知識やプロジェクトの成果を発信した。
      ・さらに、ブログやSNSを通じて、自分の取り組みやプロジェクトの成果を一貫して発信。これにより、Aさんの名前がAIやクラウド技術に関連するプロジェクトで知られるようになった。

 

 

 

  • 「静かな文化的特性」で育った人は、会議中に発言するのが苦手なことが多い。自己主張を控えるように育ったため、何をどのように言えばいいのかを判断できないからである。

    この問題に取り組むためには、筆者が「4A」と呼ぶフレームワークに従うのが良い。このフレームワークは、周りに大勢の人がいたり、主張が強い同僚やリーダーがいる場合に発言できなくなってしまう人には特に役立つ。


    • 1つ目のAは「傾聴(active listening)」の略。会議における周囲の発言に積極的に耳を傾けることで、自分が発言する絶好のタイミングを見極めることを意味する。適切な発言のタイミングを見つけるには、周囲が発したキーワードや論理構成に耳を傾ける必要がある。ちなみに、アクティブ・リスニングの反対はパッシブ・リスニングで、話す意思もなくただ座って聞いている状態を指す。


    • 2つ目のAは「認める(acknowledge)」の略。適切な発言のタイミングを見つけたら、まずはじめに今話を終えたばかりの人に謝辞を述べる。この行為をすることにより、会議のメンバーは、あなたが「自分の言いたいことだけを述べようとはしていない」と感じることができる。謝辞を述べる際は、「Bさんの指摘は興味ぶかくて、〇〇について考えさせてくれました」のような形で行うとよい。


    • 3つ目のAは「アンカー(anchor)」の略。これは、相手が直前に言った言葉を1つか2つ持ちだしつつ、これを自分の発言につなげる行為を意味している。

      例えば、相手の発言に「マーケット」という言葉があったら、自分も「マーケット」について軽くコメントしつつ、「マーケットといえば…」といったように自分の発言を進めていく。こうして、事前の発言と自分の発言をつなげることにより、自己主張が強い印象を抑えつつ、言いたいことを言いやすくなる。


    • 4つ目のAは「回答(answer)」の略。「静かな文化的特性」で育った人は、自分が共有したいポイントだけを明確に、簡潔明瞭に伝えるように心がけないと、「自分は話しすぎではないか……」といった不安に襲われ、話がブレてしまうケースが多い。


    • 以上の順序で発言を組み立てると、自分の主張が相手に伝わりやすくなり、確実に聞かせることができる。また、対話が流れやすい環境を作ることもできる。

 


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