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今週の小ネタ:第一印象がめちゃ良い人の特徴、地中海食は新型コロナにも良い、幸福を観察すると幸福は消える、


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

地中海食は新型コロナにも良い

地中海食って新型コロナにも良いよなー」ってデータ(R)が出ておりました。ご存じのとおり、地中海食ってのは地中海の沿岸で食べられてきた伝統食で、魚と野菜とオリーブオイルが多いのが特徴。このブログでも、過去に地中海食の有効性を示すデータをピックアップしてまいりました。

 

で、今回の研究チームいわく、

 

COVID-19と炎症の関係を調べた研究は数多くある。その点で、一方で地中海食はその抗炎症作用で古くから知られている。

 

新型コロナの問題が炎症によって起きるなら、抗炎症作用が大きい地中海食で対抗できるはずだ!って考え方ですね。

 

ってことで、チームは世界の5カ国で合計55,400人以上の男女を調べた6件の研究をチェック。みんなに「どれぐらい地中海食に近い食事をしているのか?」「コロナにかかったことはあるか?かかった時の症状はどうだったか?」などを調べて、両者のデータを照らし合わせたんだそうな。

 

そこでどんな結果が出たかと言いますと、

 

  • 3つの研究では、地中海食とコロナウイルス感染リスクの減少との間に有意な相関が認められたが、他の2つの研究では有意ではなかった。

 

  • 一方で、地中海食がコロナの症状や重症度を軽減するかどうかは、それほどよくわからん感じ。地中海食に近い食事を続けている人ほどCovid-19の症状が少ないという報告をしたのは1つだけで、他の3つの研究では有意な関係は認められていない。

 

  • いくつかの研究では、オリーブ油、果物、ナッツ類の摂取が多いこと、穀類と赤身肉の摂取が少ないこと、アルコールの摂取が適度であることが、コロナウイルス感染リスクの低下と関連していた。また、野菜、果物、豆類、ナッツ類、魚類、全粒穀類をより多く食べる人は、Covid-19が重症化する確率が低下していた。

 

って感じで、ところどころデータに一貫性がないのがアレですが、なんとなーく地中海食は新型コロナ対策に役立ちそうな雰囲気が漂っているわけです。炎症に良い食事が炎症を引き起こす病気を緩和するってのは、割と常識的な考え方ですしね。

 

もちろん、これは生活習慣と健康アウトカムとの関連性しか見ていないので、あくまで予備的な結果だとお考えください。個人的には、地中海食が役立つ可能性は全然あるだろうと思ってますが。

 

 

 

幸福を観察すると幸福は消える

幸福を追い求めれば追い求めるほど、幸福は遠ざかっていくよなー」って研究(R)が出ておりました。ポジティブな感情を求めると、それだけポジティブな感情が減っていくって知見は昔からありまして、今回はその最新版ですね。

 

ここで研究チームは1,815人を対象に3つの実験を行い、「幸福を追い求めると実は不満って大きくなるのでは?」ってポイントを調査。2009年から2020年にかけて参加者へ定期的にアンケートと日記の記入をしてもらい、以下の傾向を明らかにしたんですよ。

 

  • 幸福になろうと思っていると、常に自分の状態をチェックし続けることになり、これが幸福度の低下をもたらす。

 

  • メタ感情(自分の感情について抱く感情)が、ウェルビーイングの低下に少なくとも部分的に関わっていた。

 

みたいになります。簡単に言ってしまえば、幸せを追求しようとすると、「私はいまどれぐらい幸せなんだろう?」みたいな懸念が生まれ、これが心理的なトラブルを引き起こすのだって話です。

 

当然ながら、“現在”ってのは常に理想の幸福からはほど遠いはずなので、今の自分と比べたら絶対に惨めな気持ちになるものなんですよ。これによって否定的なメタ感情が生まれ、幸福が消え去っちゃうわけっすね。ポジティブ心理あるあるですな。

 

この問題をふまえて、研究チームは、こんなアドバイスをしてます。

 

  • 想像上の幸福と今の幸福を比べずに、いま自分が感じていることをそのまま受け入れる方がいいんじゃない?

 

「自分は幸福か?どれぐらい幸福か?」とかダラダラ考えずに、とにかく今の自分がどんな感情を持っているかを見極め、それがポジティブかネガティブかを問わずに、とにかくその感情を受け止めようぜ!ってことですね。要は感情のマインドフルネスが大事だって感じですね。

 

いずれにせよ、幸せに対する態度や幸せの追求は、実際にどれだけ幸せであるかということと同じくらい、私たちのウェルビーイングを左右するみたいなんで、お気を付けくださいませ。

 

 

第一印象がめちゃ良い人の特徴

心の理論のスキルが高い人ほど、第一印象がよりポジティブになるよーって報告(R)が出ておりました。

 

心の理論ってのは、自分以外の人々が異なる考えや感情を持っている事実を理解し、その心の状態を推測する認知スキルのこと。このスキルがあれば、他者の行動を理解できるようになるので、円滑なコミュニケーションも上手くなるんですな。

 

事実、先行研究によると、心の理論のスキルが高い人は、ソーシャルネットワークも大きいし、人間関係の満足度も高いし、社会的能力も高いしで、幸福な人間関係を築いている傾向が確認されてたりします。そりゃそうですよね。

 

で、この研究チームが何を調べたのかと言いますと、

 

  1. 合計334名の若い男女を集め、心の理論のスキルを調べる。知らない人の顔写真を見て「どんな感情を持っているか?」を推測してもらったり、2人のアニメキャラクターがどんな行動を取るのかを予想してもらったりする。

  2. その後、初対面の相手とペアを組んでもらい、共同で行うゲームをやってもらう。例えば、レゴを協力して組み立てたりとか。

  3. 最後に、ペアを組んだ相手にどのような印象を持ったのかを尋ねて、すべてのデータをひっくるめて分析する。

 

みたいになります。実際にはもっと複雑な実験をしてるんですが、とにかくここでは「心の理論と印象の良さを調べたんだなー」ぐらいに思っていただければOKです。

 

すると、実験の結果ははっきりしたもんでして、

 

  • 心の理論のスキルと意欲が高い参加者は、相手から「空気を読んで適切に対応できてすごい!」と評価されやすかった。


  • 心の理論のスキルの高さは、相手からの第一印象の良さと正の相関があった。

 

って感じだったそうな。まぁ心の理論のスキルが高い人は、明確なコミュニケーションをするし、適切なユーモアを使うのがうまいし、相手のニーズへの対応を反映して行動できたりするんで、印象が良いのは当然って感じがしますが。

 

ざっくりまとめると、相手のメンタルを理解し対応するのが上手い人ほど、好ましい印象を残しやすいってことなんで、ここらへんが苦手な人は共感力トレーニングとかしてみると良さそうですな。


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