本当に朝食を食べたほうが痩せるのか問題 リローデッド
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/05/blog-post_64.html
以前に「食事は1日1食でいいやって結論に落ち着いた3つの理由」って話を書きまして、いまも別に朝食はとらなくてもいいかなーと思ってるんですが、その後もいろいろ調べましたので現時点でのまとめなど。
まずは「朝食を食べると痩せる!」派のデータから
朝食については大規模な調査がいろいろありまして、たとえば2003年にアメリカ人39,695名のデータを使った研究(1)では、「朝食を抜くのは体重管理にはよくない」との結論。朝食を食べない人ほど体重が増えるって傾向がハッキリ出ております。直近では2013年の研究(2)が有名で、成人3,598名のデータを使った統計解析でも、
毎日ちゃんと朝食をとると、メタボリックシンドロームによるさまざまなリスクは大幅に減る。
と明言されております。朝食を食べている人は体重が軽く、心疾患や糖尿病にかかる可能性が低いわけですね。
ヒトを対象にした試験データもありまして、2013年の実験(3)では、肥満の参加者たちを以下の2グループにわけまして。
- 朝食ガッツリ:朝700kcal 昼500kcal 夜200kcal
- 夕食ガッツリ:朝200kcal 昼500kcal 夜700kcal
すると12週間後の結果は、
- 朝食ガッツリグループ:8キロ減量!
- 夕食ガッツリグループ:4キロ減量!
朝食派の圧勝であります。総摂取カロリーが同じなのに、なんとも不可思議な結果ですねぇ。
しかし「朝食には大したことない」 ってデータも
と、以上のデータを見てますと「やはり朝食最強!」って結論になりそうですが、そう簡単にはいかないのが健康リサーチの難しさであります。2014年にバース大学から出たレポート(4)にいわく、これまでの疫学調査では、朝食をとらない人ほど脂肪、糖尿病、心疾患のリスクが高まる傾向が一貫して示されている。しかし、これらのデータからは「朝食が体によい」という結論は出せない。
朝食をちゃんと食べる人たちは、タバコを吸わず、脂肪やアルコールの摂取をひかえ、より食物繊維やビタミンなどをとり、なによりも運動をする傾向が高いからだ。
とのこと。朝食が体にいいんじゃなくて、体に気を使う人ほど朝食を食べてる可能性も高い、と。確かに多くのデータは「朝食を食べてる人は健康なことが多いよ!」と言ってるだけなので、これだけじゃ本当の原因はわからんわけですねぇ。
もちろん朝食に否定的な試験データもありまして、たとえば2014年に行われた実験(5) では、283人の参加者を対象に朝食のダイエット効果を16週間にわたって調べたんですね。すると、朝食アリグループと朝食抜きグループでは、体重の減り方にはほぼ差がなかったんだとか。
研究者いわく、
この実験で調べたかったのは、朝食はダイエットに役立つのか?という点。しかし、その答えは「役に立たない」になりそうだ。
とのこと。ここでおもしろいのは、それまでの食習慣によってダイエット効果に大きな違いが出たところ。ポイントをざっくり言えば、
- それまで朝食を食べてなかった人が朝食を食べると痩せやすくなる
- それまで朝食を食べてた人が朝食を抜くと痩せやすくなる
といった感じ。要は朝食を食べる食べないではなく、習慣の変化がポイントなんじゃないかと。
1992年にヴァンダービルト大学から出たデータ(6)でも似たような結果が出てまして、肥満女性を対象に12週間の実験を行ったところ、普段から朝食を抜きがちだった人が朝食をとると体重が減り、いつも朝食を食べてた人が朝食を抜いてもやっぱり体重は減ったそうな。うーん、不思議。
まとめ
そんなわけで、いろいろ見てまいりましたが、現時点での結論としては「どっちでもいいんじゃない?」といった感じ。わたしはパレオダイエッターなので、狩猟採集民の暮らしにならって朝食はとらない方針ですが、「朝を抜くと力が出ない!」って方は気にせず食べても大差ないんじゃないかと。まぁ、要は個人の好みってことで。credit: Julija Rauluševičiūtė via FindCC