下半身に脂肪がついてたっていいじゃない、健康で頭がいい証拠だもの
「下半身に脂肪が多いのはどうすればいいの?」みたいな質問をよく聞きます。おもに尻と太ももを中心に脂肪がついちゃう状態で、いわゆる洋なし体型。男性よりも女性に多いパターンですな。
が、この問題については、「それでいいじゃない!」としかお答えしようがない感じであります。といっても、個人的に洋なし体型が好きだって話ではなく(笑)、尻と太ももに脂肪が多いのは身体の代謝が正常で頭が良い証拠だからです。
具体的に有名なのは、2010年にオックスフォード大から出たレビュー論文(1)。このなかで研究者は近年の研究データをチェックしつつ、殿大腿部脂肪が疾病率影響をチェックしたんですな。つまり、尻と太ももの脂肪は健康にいいのか?って疑問を調べたわけですね。
その結論は、尻と太ももに脂肪がつきやすい人ほど、
- 心臓病にかかりにくい!
- 糖尿病の発症リスクが低い!
- 血圧も低くなる!
- コレステロールも低い!
って傾向があったらしい。腹まわりや内臓脂肪は健康へのダメージが大きいのに、尻と太ももの脂肪は逆に病気から身を守る効果があるらしい。
こういった違いが出るのは、殿大腿部脂肪は炎症物質を吐き出しにくいから。腹の脂肪は分解されやすい代わりにインターロイキンのような物質を分泌するんで、結果として身体が老化していっちゃうんですな。
もうひとつおもしろいのが2008年の研究(2)で、16,000人の女性に認知テストを行ったうえで、全員のウエストとヒップの比率をチェックしたんだそうな。その結果は明快で、
- ウエストとヒップ比率の数字が大きい人ほど頭が良い!
というもの。腹まわりの脂肪が少なく、いっぽうで尻と太ももに脂肪が多いほど認知テストの点数が高かったみたい。
なぜ下半身の脂肪が大事かというと、殿大腿部脂肪はオメガ3脂肪酸の量が多いのが原因だと考えられております。オメガ3は魚にふくまれる脂肪ですが、脳がうまく働くために必要でして、国際栄養精神医学会が選ぶ「脳を幸せにしてくれる9つの栄養素」にも選ばれてたり。
そのおかげで下半身が太い女性ほどオメガ3の供給が安定し、脳の機能も正常に作動。知性にもつながっていくようです。
というわけで、下半身の脂肪は健康にも知性にも必須。細い足にあこがれる女性も多いでしょうが、手放しで良いわけじゃないんですね。古代の女性像なんかも、やたらと殿大腿部脂肪が多いですし(笑)
そもそも下半身に脂肪がつくかどうかは遺伝の要素も多いので、気に病むだけムダ。腹まわりの脂肪さえ落ちればOKぐらいの気持ちでいたほうがよいかと存じます。