初対面の異性との再会率を劇的にアップさせる心理テク、それは「不確実性」
「異性にモテるコツは不確実性だ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これは「明日の幸せを科学する」で有名なダニエル・ギルバート博士による実験で、ヴァージニア大学の女子大生20名を対象にしたもの。実験デザインは、以下のようになっております。
- 参加者には「これはオンラインデートに関する実験です」とウソをつく
- 同じ大学に通う男子学生4名のフェイスブックを見せる
- 参加者に「この4名の男子には、事前にあなたたちのフェイスブックを見てもらい、好感度を採点してもらいました」と伝える
- どの男性に再会したいかを採点してもらう
このとき、参加者たちに伝えられた「男性の好感度レベル」は3パターンでした。
- すごく好き!つきあいたい!
- 好きでも嫌いでもない。平均ぐらい
- 好きか嫌いかよくわからない
この実験のポイントは、参加者が見た4名の男性があくまで架空の人物だったところ。要するに、相手が自分に向けてきた好感度のレベルに応じて、参加者の行動が変化するかどうかをチェックしたわけです。
研究者いわく、
たとえば、サラがボブに対して「ボブはわたしのことが好きに違いない」と考えていれば、サラはボブに好感を持っている可能性が高いだろう。
しかし、もしもサラが「ボブはわたしのことをどう思っているかわからない∴」と感じていたらどうだろう?
とのこと。相手に好かれているかどうかがわからないとき、自分の行動には影響があるのか?って疑問であります。
さて結果は、
- 「好きでも嫌いでもない」と言われた場合は、その男性を「魅力がない」と採点する確率があがった
- 「好きでも嫌いでもない」と言われるよりは、「すごく好き!」と言われたほうが、その男性を高く評価しやすくなった
- 「好きか嫌いかわからない」と言われたとき、その男性をもっとも「もう一度会いたい!」と採点しやすくなった
みたいな感じ。なんと熱心に「好きだ!」と言われるよりも、「好きか嫌いかよくわからん」と言われたほうが、女性からは再開したいと言われやすくなったというんですな。
研究者いわく、
市販の恋愛本などには、「気に入った相手にはあまり大っぴらに好意を向けるな」や「あえて気のないそぶりをしろ」といったアドバイスがよくみられる。
おそらく、初対面の場面においては恋愛本のアドバイスは正しいのだろう。あえて気持ちを隠すことで、逆に相手に自分のことを考えさせ、興味がかきたてられるのかもしれない。
とのこと。人間が神秘やミステリーに引きつけられやすいのは当然ですが、これは対人コミュニケーションにも当てはまるわけですね。
もっとも、この研究は、不確実性のせいで「好感度」が上がったわけではないのでご注意ください。あくまで「もう一度会ってみたい」という興味をかきたてられただけで、相手を好きにさせたわけではないんですな。
そんなわけで、合コンで知り合った相手なんかに「もう一度会いたい」と思わせるためには、いきなり好意を全開にはせず、どっちつかずの態度ってみるのもアリ。恋愛の場面じゃなくても、「人間は不確実性なものを追いたくなる!」って事実をおぼえておくと何かと役立つのではないかと。