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腰や肩のしつこい痛みは脳の仕組みを勉強すれば治る

LBP 

謎の腰痛やヒザ痛にお悩みの方は多いでしょう。

 

 「痛みが起きる理由」を教えるだけで治る

たとえば、レントゲンを撮っても異常が見つからないのに、なぜかずーっと肩やヒザに鈍い痛みがあって眠れなかったりとか。わたしも長らくの腰痛持ちだったので、気持ちがよくわかります(いまも完治したわけじゃないですけど)。

 

 

「痛み」は複雑な現象なんで、なかなか「これで治る!」とは言いづらいんですが、ここ数年で注目されているのが「PNE(ペインニューロサイエンスエデュケーション)」って方法であります。ざっくり意訳すると「神経科学的に痛みの原因を教える方法」みたいな感じ。

 

 

その名のとおり、患者の「教育」に重点を置いた治療法でして、痛い部分に直に何かををするわけじゃないのがポイント。「なぜ痛みは起きるのか?」の理由を徹底的に教えこむだけで、ウソのように肩や腰の痛みが消えちゃうというんですな。

 

 

慢性痛が「脳の勉強」で治った

なんだかインチキ臭く思っちゃいそうですが、実は十数年ほど実験で何度か確かめられてきた話だったりします。特に、つい最近になって非常に信頼性が高い論文(1)が出まして、これがかなりいい感じなんですね。

 

 

この論文は、過去に行われた「慢性痛」に関する研究をまとめたもの。13件の実験データを精査した系統的レビューになってまして、科学的にはかなり信頼性が高い内容だとお考えください。

 

 

で、その結果をざっくり言うと、

 

  • 痛みの原因を頭で理解できれば痛みは治まる!

 

みたいな感じ。あらためて、PNEの効果にお墨付きが出た形であります。

 



 

 

慢性痛は「痛みのセンサー過敏」で起きる

じゃあ、なんで頭で理解するだけで痛みが治るかというと、肩・腰・ヒザなどの謎の痛みは「脳の誤作動」が原因で起きるからなんですね。

 

 

というのも、そもそも人間の「痛み」は、警報機のような働きを持っております。たとえば、急にお腹が痛くなったときは、なにかヘンな物でも食べたのか、急に盲腸炎でも起きたのかはわかりませんが、とにかく腹部に何らかの異常があるのは間違いなし。「何かが起きてますよ!」と、痛みがサインを出しているわけです。

 

 

もし痛みを感じなかったら、ケガをしても治療をしないだろうし、リスクを恐れなくなるだろうしで、長く生き延びられないのは間違いなし。それだけ重要な役目を果たしてるんですな。

 

 

が、困ったことに、この警報システムは、ときどきエラーを起こしてセンセーが過敏になるんですよ。自宅の前をちょっと人が横切っただけで「泥棒だ!」と騒いだり、フライパンが焦げただけで「家事だ!」と判断しちゃうようなイメージです。とにかく、ちょっとした異変でも過剰に反応するようになるんですね。

 

 

脳の警報システムが狂う理由

警報システムが狂っちゃう理由はさまざまですが、過去のデータを見てると、ストレスの多い状況が続いたり、長期的な治療が必要な病気にかかったときなどに、センサーが過敏になりやすい模様。いったん大変な目にあったせいで、脳がセンサーの感度を上げちゃったんでしょうな。

 

 

いったんこの状態になると、あとは「痛み」の誤作動が起きまくり。ちょっと重いものを持っても腰痛が起きたり、ストレスがたまっただけでも肩が痛んだりと、謎の痛みに苦しむことになるわけであります。いくら検査をしても痛みの原因がわからない人は、このセンサー過敏が起きているのかも。

 

 

PNEで脳のセンサーが治まった

とはいえ、この症状は、あくまで脳の誤作動で起きているだけなんで、再教育してやれば修正が効くんですね。

 

 

実際のPNEは4時間ぐらいの授業で構成されてまして、写真や実例を使って、いかに脳のセンサーエラーで痛みが生まれるかを解説していくのが一般的。なかには、脳と痛みの関係を知るだけで症状が消えてしまう患者さんもいるらしいんで、上記の説明を読んで腰痛がやわらいだ人もいるかも。もしいたらご一報ください(笑)

 

 

ちなみに、PNEの授業で使われる事例写真は以下のような感じです。

 

Pne2

 

これは、謎の慢性痛に苦しむ女性の脳を撮影した画像で、

 

  • 上段の列:痛みが起きてないときの脳
  • 中段の列:痛みが最高レベルになったときの脳
  • 下段の列:PNEを行ったあとの脳

 

痛みセンサーの活動が激しい部分ほど、赤く表示されております。これだけ見ても、PNEの効果がよくわかりますねー。

 

 

まとめ 

ただ、いま日本でPNEをやってくれる機関があるのかは不明。臨床試験をやってるとこはあるみたいなんで、今後に期待って感じでしょうか。

 

 

それまでのつなぎとしては、「サーノ博士のヒーリング・バックペイン」や「脳で治す腰痛DVDブック」などが似たようなテーマを扱っているので参考にするといいかも。厳密に言えば、どちらも神経科学の説明とはちょっと違うとこもあるんですが、基本的なアイデアは似通ってますんで。

 

 

とくに「サーノ博士のヒーリング・バックペイン」なんかは、読んだだけで腰痛が軽くなったって例も多いので、まずは痛みと脳の関係をいろいろ勉強してみると吉。実際、わたしもサーノ博士の本と認知行動療法のおかげで、だいぶ症状がやわらぎましたんで、同じ悩みをお持ちの方はお試しください。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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