スーパー糖質制限はリバウンドしない!説に厳しいツッコミが
スーパー糖質制限をやると1日300kcalの得?
いまでこそ「糖質制限の理論はおかしい!」などと書いているわたしですが、このブログを始める直前までは、「スーパー糖質制限って凄いのかも…」とか思っておりました。
というのも、2012年にハーバード大から出た論文(1)では、スーパー糖質制限をやると1日300kcalの得!って結果が出たんですよ。普通は体重が減ると同時に消費カロリーも減りますが、スーパー糖質制限をやった場合は、普通の低脂肪ダイエットにくらべて代謝の下がり方が300kcalも少なかったらしいんですな。
当然、このデータは「糖質制限ダイエットはリバウンドに強い!」証拠として扱われてまして、お医者さんのブログなんかでも取り上げられておりました。かく言うわたしも、この論文に触発されまして、当時はスーパー糖質制限を試してみたりしたもんです(結局は失敗しましたが)。
ただし、その後にもケトジェニックや糖質制限に不利なデータが続々と出てきたもんで、個人的には「あれ?」みたいな印象に。結局は「やっぱ糖質は超大事!」って結論になって、現在にいたっております。
そんな状況下、上で紹介した2012年のハーバード論文に、最近になって別の学者から厳しい指摘が入ったんですよ(2)。ツッコミを入れたのは、コロンビア大学のケビン・ホール博士。最近も「ケトジェニックダイエットをしても脂肪が燃えやすい体にはならない!」ってデータを発表したりして、糖質制限ダイエット界からは嫌がられている先生です(笑)
ハーバードとコロンビア大の糖質制限バトル
ホール博士のツッコミを超ざっくりまとめると、
- そもそもカロリーの計測が間違ってんじゃない?
というもの。参加者の消費カロリーを考えると体重が1kgは減らないとおかしいのに、逆に0.5g増えてるのはおかしくないか?という、非常にごもっともな指摘であります。
これに対してハーバード側もレスを返してまして、こちらも超ざっくり言うと、
- 参加者のカロリーはコントロールしてたんで、水分か筋肉が増えたせいじゃない?
みたいな感じ。体重が増えたのは、あくまで脂肪のせいじゃないんだ、と。
が、この説明は正直かなり苦しいところです。糖質制限で体内の水分が減るのは有名ですし、4週間の実験で筋肉が1.5kgも増えるとは思えないもんですから。
ハーバード側がベタなミスをしていた可能性
で、結局のところ、以上のコメントを読んでいると、
- 実は、参加者が家で追加の食事をしてたんじゃないの?
という可能性しか浮かばないんですよねー。研究者は摂取カロリーを調整したつもりでも、実は参加者が自宅でお菓子を食べてたりとか。ダイエット研究の世界では、結構ありがちな落とし穴ではあります。
また、このハーバード実験では、「糖質制限で安静時の代謝が67kcalアップしたよ!」って結果も出てるんですけど、これまたホール博士からツッコミが入っておりました。要約すると、
- そもそも67kcalじゃ現実のダイエットには無意味だし、代謝が増えたのはタンパク質が増えたおかげじゃないの?
みたいな感じ。結局、糖質制限で代謝があがるのは、炭水化物を減らししたぶんだけタンパク質が増えたのが原因だろう、と。これまたお説ごもっともっすね。
まとめ
そんなわけで、ハーバード VS.コロンビア大の戦いは、いまのとこコロンビア優勢かなーと思います。つまり、今回のバトルから、わたしたちが学べることは、
- ハーバードでも意外とベタなミスをする
- やっぱりダイエットで大事なのはタンパク質の量
の2点ではないかと思います。個人的にも、ここ4年ほどのモヤモヤが晴れました(笑)