筋トレの効率が最適化されるベストなエクササイズ量はこれだ!
筋トレの効率を高めるベストなボリュームとは?
「ベストな筋トレの量を調べてみた!」って論文 (1)が、なかなか良い感じです。
これは「筋トレがいいのは当たり前だけど、ベストな回数やボリューム、負荷ってどれぐらいなの?」って疑問について、高齢者を対象に調べたもの。
たとえば、基本的にはセット数をこなすほど筋肉が増える傾向はあるんですが、ボリュームが増えるごとに筋肉の増え幅は減っていきますんで、トレーニングの時間投資効果も下がっちゃいますからね。適切なレベルを知っておけば、ムダな時間を使わずに済むわけであります。
で、今回の論文は、過去に行われた506件の筋トレ実験から、デザインがいい25件のデータをまとめたメタ分析。かなりエビデンスのレベルが高くていい感じです。参加者の平均年齢は65才ですが、筋トレ初心者の若者にも十分に参考になる内容かと。
筋トレのベストな回数、セット数、休憩時間はこれだ!
分析では、だいたい筋トレを1年ほど続けた場合の筋肉量や筋力の違いについてまとめてまして、結論はこんな感じです。
▼筋トレのベストボリュームとは?
- 週のトレーニング回数は2〜3回がベスト!
- 1つのエクササイズごとに2〜3セットがベスト!
- 1セットごとの回数は7〜9回がベスト!
- トレーニングの負荷は1RMの51〜69%がベスト!
- 1回の重りを上げ下げするのに使う時間はトータル6秒がベスト!
- レップ間の休憩は2.5秒がベスト!
- セット間の休憩は120秒がベスト!
うーん、なるほど。レップ間のベスト休憩タイムまで出てるのが凄いですねー。もちろん、トレーニングの種類によって最適な休憩時間は変わるでしょうが、「めんどうなことは考えたくない!」って方は、とりあえずこの基準を守っとくとラクでよさそう。
もっとも、この結論にはただし書きもありまして、
今回の分析でわかったのは、「1エクササイズごとのセット数」と「セットごとの回数」の違いは、筋力の発達においてほとんど影響がないということだ。(中略)6週間の短い筋トレにおいては、1回1セットでも1回複数セットでも違いはないらしい。
筋トレの初期においては、筋トレのセット数は、筋力や筋肉量の増加に関する重要な指標ではないと思われる。
とのこと。まぁセット数や回数を増やしたほうがいいのは間違いないけど、そんなにデカい影響もないから好きにすればいいんじゃない?(特に筋トレのスタート時は)って感じですね。ハッキリとは言えないものの、
- 筋トレビギナー=セットや回数にはこだわらず、とにかく最低でも週2ペースで続けるのが大事
- 筋トレを1年ぐらい続けたら=セット数を増やしたほうがメリットが多いかも
ぐらいのイメージかなぁ。もちろんガチの筋トレ野郎は別ですが、とりあえず「筋トレを習慣にしたい!」レベルの方であれば、今回わかった「ベストボリューム」を守るのが効率的っぽいですね。
あと注意点としては、この分析では、ホルモンの数値などはノーチェックなとこでしょうか。いくつかのデータ(2)だと、「1セットよりも複数セットをしたほうがテストステロンや成長ホルモンが出るよ!」って結果もありますからねぇ。アンチエイジングや美容面も考えたら、マルチセットのほうがいい……のかも。