自分の目的にあった瞑想テクニックの選び方
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/01/blog-post_19.html
4タイプの瞑想の効果をくらべてみた
「瞑想の種類によって得られる効果が違うよ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはマックスプランク研究所の実験で、瞑想ビギナーな男女229名を対象にしたもの。まずは全員に4つのタイプの瞑想を教えたんですね。
- 呼吸瞑想:呼吸の感覚に意識を向け続ける瞑想。くわしくは「瞑想をスタートするために必要なすべての知識をまとめてみたぞ」をどうぞ。
- ボディスキャン:体の各パーツに対して、順番に意識を向けていく瞑想。試してみたい方は「無料で聞ける『マインドフルネス瞑想』の音声ガイド」をどうぞ。
- 慈悲の瞑想:自分や他人の幸福を祈りながら行う瞑想。くわしくは「くやしいが『慈悲の瞑想』はやっぱりメンタルに効果があるようだ」をどうぞ。
- ヴィパッサナー瞑想:「心の動き」や「思考」を瞑想の対象にする方法。「考えている」「怒りがわいた」「雑音が気になる」など、自分の意識の変化をかたっぱしから実況していく。くわしくは「呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想」を参照していただくといい感じ。
1日30分の瞑想を9カ月
実験期間は9カ月で、参加者は以下の3グループにわけたらしい。
- 呼吸&ボディスキャン → 慈悲の瞑想 → ヴィパッサナーの順番で、3カ月ごとに瞑想の種類を切り替える
- 呼吸&ボディスキャン → ヴィパッサナー → 慈悲の瞑想の順番で、3カ月ごとに瞑想の種類を切り替える
- 慈悲の瞑想だけを3カ月行う
さらに具体的なメニューとしては、
- 瞑想は週に5回のペースで行う。1回のセッションは30分
- 3カ月ごとに研究所に行き、3日間泊まり込みで瞑想の集中セッションを行う
みたいな感じ。わりと一般的なプロトコルになっております。
どんな瞑想でも似たような効果は出るが…
そして、セッションごとに参加者の気分や認知を計測したところ、だいたいこんな結果になりました。
- どの瞑想でも、ポジティブな気分や活力、集中力、マインドフルネスレベルはそこそこアップする(19点を「最高の状態」とした場合に、0.5〜2ポイントぐらいの上がり幅)
どんなタイプの瞑想でも、3カ月も続ければ似たような効果はあるんだ、と。にしても、0.5〜2.0って上がり幅は「瞑想は人生を10%だけ幸せにする」と見積もったダン・ハリスさんの実感と似てますな。
瞑想の種類によって結果が違った
もっとも、瞑想の種類によって結果には差がありまして、
- 呼吸&ボディスキャン瞑想を行うと、頭に浮かぶ思考の量が減りやすくなる。特に、未来への不安や過去への後悔といった、ネガティブな思考が浮かびにくくなる
- 慈悲の瞑想はポジティブな思考と感情を強化しやすいが、他の瞑想よりもネガティブな思考が浮かびやすくなる。
- ヴィパッサナー瞑想は客観性やメタ認知が強化されやすい。
みたいな感じ。わりと納得の結果じゃないでしょうか。
まとめ
研究者いわく、
瞑想系のメンタルトレーニングは、その種類によって、異なる精神機能を使っている。それぞれの瞑想は、独自の精神状態を作り出しているようだ。
とのこと。もうちょい長期の実験は必要かと思いますが、ざっくり言えば、
- ネガティブな感情や思考に困ってる人=呼吸瞑想&ボディスキャン
- 幸福感をアップさせたい人=慈悲の瞑想
- 判断力を高めたい人=ヴィパッサナー瞑想
みたいな感じでしょうか。もちろん「何らかのメリットを求めて瞑想するなんて邪道!」というご指摘もありましょうが、私は「別にいいんじゃないすか」派です。