毎朝ちゃんと朝食を食べるようにしたら逆に太っちゃった!という実験結果
朝食を抜いたら体型はどう変わる?
「朝食は体にいい!」とはよく聞くものの、これを支持するデータとしては、いまところは観察研究がほとんど。驚いたことに、ちゃんとしたランダム化比較試験はほとんど行われていないのが現状であります。
当ブログで紹介した例だと、2014年に「朝食を抜いたら痩せたよー」って報告例が出たぐらい。現時点では、これぐらいの証拠をベースに、「朝食はいい!いや抜いたほうがいい!」みたいな議論が行われている状態だったりします。悩ましいですねぇ。
といったところで、新たに「朝食を抜く生活をしたらどんな変化が起きるの?」ってあたりをガッツリ調べた論文(1)が出まして、なかなか面白い結果になっております。
朝食抜きで4週間を過ごしてもらった
これはブリガムヤング大学の実験で、49人の女性を対象にしたもの。みんな普段は朝食を食べたり食べなかったりで、特に決まった食事パターンがない人を選んだみたい。
実験期間は4週間で、
- 朝食グループ:午前8時半より前に、1日の総カロリーの15%を摂取
- 朝食抜きグループ:午前11時半になるまでは何も食べない
の2つに参加者を割り振ったんですね。そのうえで、全員の体脂肪をDXAで計測し、ついでに活動量計で毎日の運動量なども記録したそうな。よいデザインじゃないでしょうか。
朝食を摂ったグループのほうが体型は崩れた
で、結果がどうだったかと言うと、
- 朝食を食べたグループは、朝食を抜いたグループよりも、1日のカロリー摂取量が266 ± 496kcal多かった
- 同じように、朝食を食べたグループのほうが体重が 0.7 ± 0.8 kgほど増えていた
みたいな感じ。どうも朝食グループのほうが不利な結果になっております。
このほかのポイントとしては、
- 朝食グループが増えた体重のうち83%体脂肪だった
- 朝食グループは糖質の摂取量がグンと増えていた(シリアル文化のせいだと思われる)
- 両グループとも、1日の活動量には変化がなかった
- 朝食を抜いたグループは、特に空腹感の増加はみられなかった
といったところ。朝食を抜いたグループは、昼食や夕食のカロリー摂取量が増えるわけでもなかったため、そのぶんだけ体型に変化が出なかったみたい。このあたりは、「プチ断食で自然と摂取カロリーが減るよ!」っていうメタ分析とも近いものがありますな。
まとめ
まぁこれはサンプル数が少ない実験なので、決して「朝食はダイエットに良くない!」って話じゃございません。 「パレオダイエットの教科書」にも書きましたが、朝食に関しては「決めた時間を守り抜くほうが大事なんじゃない?」って考え方も近ごろは優勢ですしね。あと、今回の実験では朝食の質が悪そうなんで、タンパク質たっぷりの朝ごはんにしたら、また結果は違ったかも。
つまり現時点で言えるのは、
- 朝食を抜くかどうかは、自分がラクかどうかで決めればいいんじゃないすか?
- 朝食を抜いても問題が出ないようだったら(インスリン感受性の悪化とか)、抜いちゃったほうがカロリーコントロールはラクっぽいですよ
ってとこでしょうか。私は朝食抜きが染みついちゃったんで、今後も続けていくつもり。