自宅でできる意外と知らない「ドライアイ対策」5選
ドライアイに対してなにができるのか?
ドライアイに関するご質問をいただきました。
ドライアイを治す、あるいは症状を和らげる方法はありますでしょうか?
普段コンタクトが多かったので、ここ3ヶ月はメガネ中心の生活を送っております。
しかし、まったく変化はありません。相変わらず目が乾いて辛いです。
とのこと。私には経験がないんですけど、ドライアイに悩む知人などを見てるとかなり辛そうですねぇ…。
ご存じのとおり、ドライアイは涙の量が足りずに目が乾く症状。といっても原因にはいろんなものがありまして、なかなかズバッとした解決作がないのが現実かと思います。ざっとあげるだけでも、
- アレルギー
- 自己免疫疾患
- 糖尿
- ビタミンA不足
- 処方薬の副作用
などが関わってますんで、まずは「ちゃんとドライアイ専門の眼科に行ってね!」ってのが大前提。そのうえで、自宅でもできそうな対処法についてまとめてみようかと。
といっても、「加湿器をつける!」とか「目を温める!」といった基本的なことはやってらっしゃるでしょうから、ここではあんまり指摘されないような話を。
現時点で有効性が高そうなドライアイ対策5選
1.マイボーム腺を洗う
マイボーム腺ってのは、目のフチにある油を出す器官。ここが詰まると涙に必要な油が足りなくなり、ドライアイが起きやすくなるんですな。
近ごろは、マイボーム腺を洗う用のシャンプーが発売されてますんで、まずはこれでジャブジャブやってみるといいかも。
2.トレハロース系の目薬
トレハロースは糖の一種で、食品添加物としてよく使われる物質。実は水分の保持機能と角膜を保護する作用もありまして、近年ではドライアイの応用が進んでるんですな。
ざっくりデータをご紹介しますと、
- 34人に4週間ほどトレハロース入りの目薬を使ってもらったところ、涙液膜が壊れる時間が短くなり、ドライアイの症状が大幅に改善した(2002年,1)
- 36人に4週間ほどトレハロース入りの目薬を使ってもらったところ、ヒアルロン酸入りの点眼薬よりも、ドライアイを大きく改善した(2004年,2)
みたいな感じ。どちらも、なかなかデザインの良い内容になっております。
ただ、日本ではまだトレハロース系の点眼って手に入りにくいんで(Amazonで買うと5〜8千円ぐらいしちゃう)、いまのところはヒアルロン酸系の目薬を買うのがコスト的に無難かもしれませんが…。
3.水銀の削減
近年でわりと熱いのが、「水銀がドライアイを起こしてるんじゃない?」みたいな話。水銀の酸化ストレスが目に炎症を起こすって考え方であります。2016年にも「体内の水銀レベルが高い人はドライアイの発症率が高い!」みたいなデータ(3)が出まして、いろいろと調査が進んでること。
まだハッキリと関連はわかってないものの、とりあえず現時点でやれることは、
- デカい魚は食わない(マグロとかクジラとか)
- 体内の水銀量を調べてみるといいかも
- あまりに水銀量が多いようだったら病院で「チオプロニン」をもらう(白内障と水銀中毒の薬)
みたいな感じ。とりあえずツナは減らしたほうがいいかも。
4.オメガ3を摂る
こちらも近年になって研究が進んできた話。魚の脂であるオメガ3を飲むと、目の炎症がガッツリ減るというんですな。2013年の臨床試験(4)だと、1日180mgのEPAと120mgのDHAを1カ月飲み続けたグループは、71%がドライアイの症状が減ったとか。
といっても、当ブログで何度か書いてるとおり、オメガ3サプリは扱いが難しいサプリのひとつ。検査機関のチェックを受けた商品もいくつかありますが、とりあえず水銀汚染の心配が少ない小魚とかで摂取するのが安全でしょうね。
5.その他、見込みがありそうなもの
ついでに、まだまだデータが少ないものの、見込みがありそうなものを2つほど。
- レッドクローバー:2011年の実験では、109名の女性に80mgのレッドクローバーを毎日飲んでもらったところ、6ヶ月で目の乾燥と赤みが有意に改善したとのこと(6)。
以上はドライアイに効く可能性がありますが、どちらもエビデンスとしては弱め。激しくはオススメしませんので、あくまで参考程度にどうぞ。
まとめ
そんなわけで、自宅でできそうなドライアイ対策をまとめてみました。 個人的には、マイボーム腺と水銀対策はやっといて損はないかと思います。
ちなみに、2016年にFDAが「サイドラ」っていうドライアイの新薬を承認してますんで、そのうち日本にも来るかも。これを待ちつつ、それまではやれることをやっとくのがよさげです。